Taylor & Francisグループ、学術雑誌で公表された論文と臨床試験データとのリンク形成を実施

2020年1月15日、Taylor & Francisグループは、電子ジャーナルプラットフォーム“Taylor & Francis Online”上に公表された論文と臨床試験データとのリンク形成を実施することを発表しました。

Taylor & Francisグループは医学・医療分野において250タイトル以上の学術雑誌を刊行しており、同分野で公表された論文はしばしば登録済の臨床試験と関連しています。論文と臨床試験とのリンク形成は、著者が登録済の臨床試験の番号を論文内に記載することで、自動的にCrossref及びPubMedへ臨床試験データの登録が実施される形で行われます。これによりPubMedのメタデータの充実とCrossrefの機能を利用した論文と臨床試験との恒久的な関連付けが可能になる、としています。

臨床試験は世界保健機関(WHO)の承認する15の公的な試験登録レジストリ、または米国国立医学図書館(NLM)の運営するClinicalTrials.govに登録されます。登録された臨床試験には、その試験を識別するための臨床試験番号(CTN)が割り当てられます。Taylor & Francisグループはリンク形成実施により、特定の研究に関連する臨床試験のデータの識別の容易化、特定の臨床試験に関連する他の論文の発見可能性・データの透明性の向上が図られる、としています。

“Taylor & Francis Online”の論文上に設置された、論文更新状態をチェックする機能であるCrossRef提供の“CrossMark”ボタンを押すことで、臨床試験データへアクセスできます。該当の論文に関連する臨床試験データがある場合は、“Crossmark”ボタンを押した後に表示されるポップアップの中で、その臨床試験に関連する他の論文へのリンクとともに臨床試験データが表示されます。

Taylor & Francis Online supports clinical trial data linking(Taylor & Francis Group,2020/1/15)
https://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/taylor-francis-online-supports-clinical-trial-data-linking/

参考:
Taylor & Francisグループ、F1000 Researchを買収
Posted 2020年1月15日
https://current.ndl.go.jp/node/39964

米国国立医学図書館(NLM)、臨床試験登録サイトClinicalTrials.govの機能改善に関する情報提供依頼書を公開
Posted 2020年1月10日
https://current.ndl.go.jp/node/39926

CrossRef、論文の更新状態をワンクリックで確認できるサービス“CrossMark”を正式開始
Posted 2012年5月1日
https://current.ndl.go.jp/node/20756