途上国において図書館を通じたデジタル情報へのアクセスを推進しているEIFLの2019年10月4日付のブログ記事において、エチオピアが2019年9月に高等教育機関向けに国家規模のオープンアクセス(OA)方針を採択したことが紹介されています。
EIFLのブログ記事によると、このOA方針はエチオピアの科学技術と高等教育の管轄省であるMinistry of Science and Higher Education of Ethiopia(MOSHE)により採択されました。OA方針は速やかに発効し、MOSHEが管轄するエチオピア国内47以上の大学において、公的な助成により実施され公表された大学構成員の論文・学位論文・データ等について、その全てをOA化することを義務づけています。また、公的助成を受けた研究に基づく全ての公表された研究成果物は、国立のリポジトリであるNational Academic Digital Repository of Ethiopia(NADRE)、及び大学が設置している場合には大学の機関リポジトリへ保存することも義務づけています。
新しく採択されたOA方針では、研究計画書の査定・評価の基準の1つとして、「オープン性(Openness)」を含めることでオープンサイエンスの実践を奨励する内容となっています。また、研究データがFAIR原則に従って処理されることを確証するために、公的助成を受けた全ての研究者がデータ管理計画(DMP)を研究担当部署と大学図書館へ提出することを義務付けた内容が含まれています。
Ethiopia adopts a national open access policy(EIFL,2019/10/4)
https://www.eifl.net/blogs/ethiopia-adopts-national-open-access-policy
参考:
EIFL、Taylor & Francis社とオープンアクセス出版に関する契約の更新に合意:開発途上国の研究者のAPCの減額・無料化
Posted 2018年8月23日
https://current.ndl.go.jp/node/36523
アイルランド政府、公的資金に基づく研究成果をオープンアクセス化へ
Posted 2012年10月25日
https://current.ndl.go.jp/node/22154
E2052 – FAIR原則と生命科学分野における取組状況
カレントアウェアネス-E No.353 2018.08.30
https://current.ndl.go.jp/e2052