2019年9月19日、英・電子情報保存連合(DPC)は、2019年9月16日から20日にかけてオランダ・アムステルダムで開催されている電子情報保存に関する国際会議“iPRES2019”において、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”を公開したことを発表しました。
デジタル保存の各要素に関する11のセクションからなり、各セクションについて自機関の状況に応じ5段階で評価を行う仕組みとなっています。デジタル保存に携わる組織であれば、種類や規模、保存するコンテンツの種類を問わずに使用できるように、また、短時間で容易に実施できるように設計されています。DPCでは、このツールを使用して毎年進捗を確認し、目標の達成状況を評価することを推奨しています。
ツールはDPCと英国の原子力廃止措置機関(NDA)との共同開発であり、Adrian Brown氏の2013年の著書“Practical Digital Preservation:A how-to guide for organizations of any size”で提示されたデジタル保存成熟度モデルをベースとして改良を加えています。ツールは無料で利用可能ですが、DPCのメンバーに限り、DPCの他機関との結果比較機能が提供されるとあります。
DPC launches Rapid Assessment Model (DPC RAM)(DPC, 2019/9/19)
https://www.dpconline.org/news/dpc-ram-launch
Introducing the DPC RAM(DPC, 2019/9/19)
https://www.dpconline.org/blog/introducing-the-dpc-ram
※ツールについて紹介するブログ記事です。
DPC Rapid Assessment Model(DPC)
https://dpconline.org/our-work/dpc-ram
参考:
英・電子情報保存連合(DPC)、2019/2020年度の新しい活動計画を示した“DPC Prospectus 2019 – 2020”を公開
Posted 2019年9月13日
http://current.ndl.go.jp/node/39024
デジタル遺産を守る:英・電子情報保存連合(DPC)の取り組み(記事紹介)
Posted 2019年8月19日
http://current.ndl.go.jp/node/38809
ユネスコ(UNESCO)、意思決定者等にデジタル保存の重要性を説明する際に利用可能なガイドを公開
Posted 2019年5月23日
http://current.ndl.go.jp/node/38210