米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、「隠れた特別コレクションの目録入力プログラム」の影響を分析した報告書を公開

2019年9月11日、米・図書館情報資源振興財団(CLIR)は、2008年から2014年に実施した「隠れた特別コレクションの目録入力プログラム」(Cataloging Hidden Special Collections and Archives program)の影響を分析した報告書として、“The Foundations of Discovery”を公開したことを発表しました。

「隠れた特別コレクションの目録入力プログラム」は、Andrew W. Mellon財団の支援により2008年から2014年まで実施された、学術的価値の高い「隠れた」コレクションの目録作成を支援するプログラムです。2014年までに学術機関・文化機関等へ2,740万ドル以上の助成が行われ、米国・カナダの160以上の機関で、これまでアクセスのできなかった4,000以上のコレクションの存在を明らかにしました。

公開された報告書はプログラムを通じて助成された128件のプロジェクト全てを包括的に分析した結果を示しています。報告書では、プログラムから得られた主要な結論として以下の4つを示しています。

・米国・カナダで資料の目録化への投資が行われたことは、収集機関の文化、及び歴史的資料の価値やそれらに携わる人々へ抱かれる見方に対して大きな影響を与えた
・館としての種類や規模の様々な美術館・図書館・文書館・博物館が助成を受けた結果、プログラムを通してアクセス可能になった資料の種類に幅広さと深みがもたらされた
・オンライン目録の長期的な持続性は多くの機関にとって困難な課題である。CLIRのような図書館支援機関は、長期的な目録作成体制の維持が困難な財政状態にある加盟館に対して何らかの支援を実施すべきである
・研究環境のデジタル化がますます進展しているため、物理的な資料・電子的な資料両方の記述をまとめた、検索・発見環境の構築が差し迫って必要になっている

CLIR Report Examines Impact of Cataloging Hidden Special Collections and Archives Program(CLIR, 2019/9/11)
https://www.clir.org/2019/09/clir-report-examines-impact-of-cataloging-hidden-special-collections-and-archives-program/

The Foundations of Discovery: A Report on the Assessment of the Impacts of the Cataloging Hidden Collections Program, 2008–2019(CLIR)
https://www.clir.org/pubs-reports-pub177/

The Foundations of Discovery: A Report on the Assessment of the Impacts of the Cataloging Hidden Collections Program, 2008–2019 [PDF:38ページ](CLIR)
https://www.clir.org/wp-content/uploads/sites/6/2016/09/pub177.pdf

参考:
図書館情報資源振興財団(CLIR)、“隠れた”特別コレクションの目録入力プロジェクトへの2014年助成を発表
Posted 2014年12月4日
http://current.ndl.go.jp/node/27572

CLIRの「隠れた特別コレクションの目録作成」プログラムに427万ドルの助成
Posted 2008年3月19日
http://current.ndl.go.jp/node/7486

図書館情報資源振興財団(CLIR)、アンドリュー・メロン財団からの資金援助を受け、”隠れた”特別コレクションのデジタル化プログラムを予定
Posted 2014年12月10日
http://current.ndl.go.jp/node/27603

米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、「隠れた特別コレクションのデジタル化助成プログラム」の2018年度の助成プロジェクトを発表
Posted 2019年1月4日
http://current.ndl.go.jp/node/37315