英国下院図書館、イングランドの公共図書館に関するブリーフィングペーパーを公表

2019年6月20日、英国下院図書館(House of Commons Library)が、ブリーフィングペーパー“Public libraries in England”を公開しました。

公共図書館・博物館法において、地方政府が、包括的で効率的な図書館サービスを提供することになっているイングランドとウェールズのうち、イングランドの図書館サービス、デジタル・文化・メディア・スポーツ大臣の役割、Libraries Taskforceの業務を概観したものです。

同法では、「包括的で効率的な図書館サービス」が定義されておらず、地域のニーズに応じて地方政府の責任で提供方法が決定されます。地方政府が上記の義務を履行していないと懸念される場合、大臣が調査を命じることができるとされていますが、2009年以降発生していません。

しかし、今後の図書館サービスへの懸念は継続しており、英国図書館情報専門家協会(CILIP)により、図書館サービスの質という法に基づく住民の権利への認識と理解促すキャンペーン“My Library By Right”が行われています。

なお、ウェールズ及び、地方政府法(スコットランド)が地域のすべての住民に適切な図書館施設の提供を保証すると規定しているスコットランド、図書館法(北アイルランド)に基づく北アイルランドの公共図書館については記述されていません。

Public libraries(House of Commons Library,2019/6/20)
https://researchbriefings.parliament.uk/ResearchBriefing/Summary/SN05875

BRIEFING PAPER Public libraries [PDF:701.14 KB]
http://researchbriefings.files.parliament.uk/documents/SN05875/SN05875.pdf

My Library By Right (CILIP)
https://www.cilip.org.uk/page/MyLibraryByRight

参考:
英国下院図書館、ブリーフィングペーパー“Public libraries in England”を公表
Posted 2016年2月26日
http://current.ndl.go.jp/node/30840

英国公認会計士協会(CIPFA)、公共図書館に関する年次統計(2017/2018)を発表
Posted 2018年12月13日
http://current.ndl.go.jp/node/37217

英国の公共図書館の現状(英国放送協会による調査)
Posted 2016年3月30日
http://current.ndl.go.jp/node/31172

英・Libraries Taskforceが、活動計画“Libraries Deliver: an Ambition for Libraries in England 2016-2021”を発表
Posted 2016年12月2日
http://current.ndl.go.jp/node/33030