米IEEE、華為(Huawei)所属研究者が査読等に携わることを一時、制限

米国が中国の華為技術(Huawei Technologies)とその関連会社68社を輸出規制の対象に加えたことを受け、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)は一時、同社に属する研究者が公開前の論文の査読や編集に携わることを制限しました。現在はすでに制限は解除されています。

IEEEの措置は2019年5月16日に、米商務省がHuawei社らを政府の許可なしに製品を輸出できないリストに加えたことを受け、行われたものです。2019年5月29日のIEEEの発表によれば、一般に公開されていない活動に同社関係者が関与することは規制の対象になりうるとの懸念の下で、法令を遵守し、会員・ボランティアを保護する目的で、Huaweiに属する研究者が査読や編集に携わることを制限する、とのことでした。

しかし6月2日に新たにIEEEが行った発表によれば、米商務省に対しIEEEの出版活動が規制対象となるのかを確認したところ、対象には含まれず、査読や編集活動に携わって問題ないとの回答が得られたとのことです。これを受け、Huawei関係者への制限は解除されました。

Compliance with U.S. Trade Restrictions Should have Minimal Impact on IEEE Members Around the World(IEEE、2019/5/29付け)
https://www.ieee.org/about/news/2019/compliance-with-us-trade-restrictions.html

IEEE Lifts Restrictions on Editorial and Peer Review Activities(IEEE、2019/6/2付け)
https://www.ieee.org/about/news/2019/statement-update-ieee-lifts-restrictions-on-editorial-and-peer-review-activities.html

Update: In reversal, science publisher IEEE drops ban on using Huawei scientists as reviewers(Science、2019/5/29公開、2019/6/3更新)
https://www.sciencemag.org/news/2019/06/update-reversal-science-publisher-ieee-drops-ban-using-huawei-scientists-reviewers