2019年2月13日、欧州委員会(EC)と欧州議会、欧州連合(EU)理事会は、著作権法の改正について政治的合意に至ったことを発表しました。今回合意した文書は、欧州議会とEU理事会が正式に承認する必要があります。承認後、加盟国は今後2年間で改正内容を自国の法律で制定することになります。
ECのウェブサイトによると、今回の著作権法の改正の目的として、EU圏内で国境を越えてオンラインコンテンツにアクセスできるようにすること、教育・研究・文化遺産のための著作物の利用機会の拡大、著作者や新聞社のためのより公正なオンライン環境の整備、マラケシュ条約への対応を挙げています。
今回の改正により、著作権制限の例外に、オンライン講座等での教育目的での著作物の使用、研究目的でのテキストマイニングやデータマイニング、文化遺産機関による保存のためのデジタル化が追加されます。
Digital Single Market: EU negotiators reach a breakthrough to modernise copyright rules(EC,2019/2/13)
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-19-528_en.htm
Agreement reached on digital copyright rules(European Parliament,2019/2/13)
http://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20190212IPR26152/agreement-reached-on-digital-copyright-rules
Modernisation of the EU copyright rules(EC,2019/2/14)
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/modernisation-eu-copyright-rules
参考:
国際図書館連盟(IFLA)、欧州研究図書館協会(LIBER)を含む89機関、欧州の著作権法改正案に関して、第11条および第13条の削除を求める公開書簡に署名
Posted 2019年2月1日
http://current.ndl.go.jp/node/37506
国際図書館連盟(IFLA)、欧州議会での著作権指令改正案可決に対してプレス・リリースを発表
Posted 2018年9月20日
http://current.ndl.go.jp/node/36687