2018年10月24日、米国議会図書館(LC)が、クラウドソーシングのためのプラットフォームCROWD(BETA)を公開しました。
LCが所蔵している歴史的資料のデジタル画像を、クラウドソーシングによるテキスト化等を行なうことで、検索性や読みやすさを向上させることが目的です。視覚障害者が用いるスクリンリーダーとの互換性もあると説明されています。
現在、テキスト化等の対象となっているのは、リンカーン大統領やメアリー・チャーチ・テレルの文書、クララ・バートンの日記、ブランチ・リッキーによる野球選手の評価レポート、南北戦争で障害を負った退役軍人の回顧録です。そのうち、リンカーン大統領文書のテキスト化に関する“ Letters to Lincoln Challenge”では、2018年末までの1万点の画像のテキスト化完了が呼びかけられています。11月19日には、同事業の推進のため、リンカーン大統領によるゲティスバーグ演説から155年を祝うイベントが開催されます。
今後、ローザ・パークス、女性参政権運動、南北戦争の退役軍人、米国の詩人、米国の精神医学史に関する文書の追加が予定されています。
あわせて、クラウドソーシングのためのソフトウェアもGitHub上でオープンソースとして公開されています。
Crowdsourcing Tool Enables Discovery of Unique Treasures at the Library of Congress (LC,2018/10/24)
https://www.loc.gov/item/prn-18-134/
Let’s go! Explore, transcribe, and tag at crowd.loc.gov(LC The Signal,2018/10/24)
https://blogs.loc.gov/thesignal/2018/10/lets-go-explore-transcribe-and-tag-at-crowd-loc-gov/
New strategy! New crowd! New team!(LC The Signal,2018/10/17)
https://blogs.loc.gov/thesignal/2018/10/new-strategy-new-crowd-new-team/
CROWD(BETA)(LC)
https://crowd.loc.gov/
Letters to Lincoln(LC)
https://crowd.loc.gov/campaigns/letters-to-lincoln/
Crowdsourcing platform for full text transcription and tagging
https://github.com/LibraryOfCongress/concordia
参考:
カナダ国立図書館・文書館(LAC)、クラウドソーシングのためのプラットフォーム“Co-Lab”を公開
Posted 2018年4月18日
http://current.ndl.go.jp/node/35869
ウェールズ国立図書館が、クラウドソーシングのためのプラットフォームの開発に着手
Posted 2017年2月17日
http://current.ndl.go.jp/node/33489
英国図書館(BL)、BLのコレクションへのアクセス拡大を目的とした実験的なクラウドソーシングプロジェクトのプラットフォーム”LibCrowds”を立ち上げ
Posted 2015年6月9日
http://current.ndl.go.jp/node/28632
E1321 – 図書館界におけるクラウドソーシングの動きは?
カレントアウェアネス-E No.220 2012.08.09
http://current.ndl.go.jp/e1321
米国議会図書館(LC)、2019年から2023年の戦略計画“Enriching the Library Experience”及びデジタル戦略を発表
Posted 2018年10月3日
http://current.ndl.go.jp/node/36757