国際図書館連盟(IFLA)の「ディスレクシアの人のための図書館サービスのガイドライン改訂・増補版」がもたらした効果(文献紹介)

2018年8月24日からマレーシアのクアラルンプールで開催されている第84回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、国際図書館連盟(IFLA)の「ディスレクシアの人のための図書館サービスのガイドライン改訂・増補版」がもたらした効果に関する文献“The Impact of the IFLA Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia: Revised and extended”が公開されています。

文献では、同ガイドラインが用いられたデンマーク及びスウェーデンの事例が紹介されています。

デンマークでは、2017年から2018年にかけて、国による助成を受けた10の公共図書館と、デンマークディスレクシア協会、デンマーク図書館協会等、関係団体とが連携し、同ガイドラインを基にディスレクシアの人への図書館サービス向上のためのツールや職員研修等を含むキットを開発し、検証したことが報告されています。

スウェーデンのLerum Public Libraryでは、同ガイドラインを参考に、職員がディスレクシアの利用者のためのチームを形成していること、ディスレクシアに関する資料が大活字本や録音図書等と共に館内の1か所に集められていること、ディスレクシアの子を持つ親のための学習会を成人教育団体と連携して開催していること等が紹介されています。

The Impact of the IFLA Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia: Revised and extended(IFLA, 2018/8/25)
https://www.ifla.org/node/71277

The Impact of the IFLA Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia: Revised and extended(IFLA Library)
http://library.ifla.org/2129/

The Impact of the IFLA Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia: Revised and extended[PDF:233KB]
http://library.ifla.org/2129/1/074-mortensen-en.pdf

参考:
E1679 – IFLAによるディスレクシアの人のためのガイドライン改訂
カレントアウェアネス-E No.282 2015.06.04
http://current.ndl.go.jp/e1679

IFLA、「ディスレクシアの人のための図書館サービスのガイドライン改訂・増補版」の優良事例とKnowledgebaseに関する附属書を更新:調布市立図書館(東京都)・川越市立高階図書館(埼玉県)を優良事例として紹介
Posted 2016年8月8日
http://current.ndl.go.jp/node/32275