2018年8月にマレーシアのクアラルンプールで開催される第84回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、米・ノーステキサス大学情報科学部のHammad Rauf Khan氏及びYunfei Du氏による“What is a Data Librarian?: A Content Analysis of Job Advertisements for Data Librarians in the United States Academic Libraries”と題する文献が公開されています。
複数のオンラインの就職掲示板上での米国の大学図書館のデータライブラリアンに関する求人広告を調査することで、データライブラリアンの中核要件や、データライブラリアンに要求されるスキル・職責・資格の最新動向を明らかにしようとしたもので、図書館情報学のカリキュラムを雇用者のニーズを満たすよう改善することが目的です。
調査結果として、職名としては“Data Services librarian”が最も多く、続いて“Research Data Management Librarian”が多かったことや、応募要件として、米国図書館協会(ALA)認定校の図書館情報学修士号の取得(付随してデータ科学に関する学位を要件とするものもあり)、データクリーニングの知識、統計ソフトの習熟、データリポジトリへの精通などがあげられていることを紹介しています。その他、必須条件と推奨要件を分析した結果も示されています。
また、職責としては、教員・大学院生のデータ管理の実務における支援、研究支援に関する個別相談対応、研究データの保存とアクセス、データポリシーやガイドラインの策定などがあげられています。
調査結果を受けた考察では、大学図書館におけるデータライブラリアンは、関連する多くの職名・技能・職責を持つ包括的な用語で、連携・教育・助言・技術支援を通じてキャンパス内のデータに関しての指針を与える存在としてます。
What is a Data Librarian?: A Content Analysis of Job Advertisements for Data Librarians in the United States Academic Libraries (IFLA Library)
http://library.ifla.org/id/eprint/2255
What is a Data Librarian?: A Content Analysis of Job Advertisements for Data Librarians in the United States Academic Libraries [PDF :231KB]
http://library.ifla.org/2255/1/139-khan-en.pdf
参考:
【イベント】国際ワークショップ「データ・ライブラリアン:アメリカ大学図書館におけるライブラリアンの役割変化について」(9/7・東京)
Posted 2017年8月23日
http://current.ndl.go.jp/node/34554