内閣府が2018年6月5日に開催された第3回イノベーション戦略調整会議の配布資料を公開しています。同会議は統合科学技術・イノベーション会議の下、研究開発成果の実用化によるイノベーション創出の促進を図る統合的な戦略策定に関する調整を行うために設置されたものです。
今回公開された配布資料には、2018年6月の閣議決定を目指す「統合イノベーション戦略(素案)」が含まれています。同素案は「第5期科学技術基本計画」と「科学技術イノベーション総合戦略2017」の取組を評価し、今後とるべき取組を提示するものとのことです。「第2章 知の源泉」の中で「(2)オープンサイエンスのためのデータ基盤の整備」に言及しており、「文部科学省が主体となり、機関リポジトリを活用しクラウド上で共同利用できる研究データの管理・公開・検索を促進するシステムを開発し、2020年度に運用開始」することや、「国際認証基準等に基づくリポジトリの整備・運用のガイドライン(公開データの検索可能化、諸外国の研究データ基盤との相互運用性等を含む。)を内閣府(科技)が策定し、大学・国研等にガイドラインの適用を推奨」すること、「大学・国研・企業等の研究実施者がデータマネジメントプラン等のデータ管理を適切に行う仕組みを、各府省・研究資金配分機関が所管の競争的研究費制度に導入」すること等に触れています。また、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が開発したRDMトレーニングツールについて、専門性を高めた拡張版の開発・公開と関係機関における受講の促進を行うことも主要施策にあげられています。
イノベーション戦略調整会議(内閣府)
http://www8.cao.go.jp/cstp/senryakukaigi.html
参考:
内閣府、国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会(第4回)の配布資料を公開
Posted 2018年6月8日
http://current.ndl.go.jp/node/36128
オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、研究データ管理のための教材「RDMトレーニングツール」を公開
Posted 2017年6月7日
http://current.ndl.go.jp/node/34115
第5期科学技術基本計画が閣議決定される
Posted 2016年1月25日
http://current.ndl.go.jp/node/30521