Springer Natureが英国のOAに関するケーススタディを公表 過去5年でゴールドOA論文は174%増加 ハイブリッドOAに限定すれば463%増

2018年5月17日、Springer Natureは英国における、同社の雑誌を通じたゴールドオープンアクセス(OA)の状況をまとめたケーススタディを公表しました。

このケーススタディによれば、Springer NatureのOA雑誌等で刊行された論文のうち、責任著者の所在が英国であるものが過去5年間で約28,000本に及んでいます。2013年に比べて2017年のゴールドOA論文数は174%増加しており、内訳として、雑誌自体がOAである雑誌でのOA論文数は89%、一部の論文のみOAとなるハイブリッドOAによるOA論文数は463%の増加であった、とのことです。その結果、2017年には英国の責任著者による、Springer Nature刊行誌掲載論文の77%がゴールドOAとなっていたとされています。また、数学では2013年に8%に過ぎなかったOA論文の割合が2017年には75%に、人文学では10%から80%に、社会科学では11%から60%にと、従来ゴールドOAが進んでいなかった分野でのゴールドOAの普及が著しかったことも紹介されています。

Gold open access in the UK: A Springer Nature case study(Springer Nature、2018/5/17付け)
https://group.springernature.com/gp/open-research/about/gold-oa-in-the-uk

参考:
欧州4カ国において、ゴールドOAで論文を発表する責任著者の割合が70%以上に Springer Natureが発表
Posted 2017年10月24日
http://current.ndl.go.jp/node/34885

Springer Nature社が予定していた32億ユーロの新規株式公開を中止
Posted 2018年5月15日
http://current.ndl.go.jp/node/35995