電子ジャーナルアーカイブJSTORのブログ”JSOTR DAILY”の2018年3月22日付け記事で、”New York Times”の死亡記事に取り上げられた図書館員を分析した研究” The Portrayal of Librarians in Obituaries at the End of the Twentieth Century”が紹介されています。紹介されている元の論文はタイトルに「20世紀末」とあるとおり、1977年から2002年のNew York Times死亡記事における図書館員の出現状況を分析したもので、2004年に”Library Quarterly”誌に掲載されたものでした。
その調査によれば、図書館員としての訓練を受け、そのキャリアの大半を図書館または文書館で過ごした人物で、New York Timesに死亡記事が掲載された例は123件あったとのことです。そのうち40%は大学図書館員、34%は専門図書館員、23%は公共図書館員でした。過半数は図書館等でリーダーシップをとる職位にあり、また40%以上は大学で教鞭もとっていたとのことです。また、過半数は著作を持つ人物でもありました。一方、なんらかの賞をとった人物は4分の1程度にとどまったとのことです。また、重要な点として、図書館員の多くは女性であるにもかかわらず(米国では図書館員の85%、大学図書館員に限定しても64%)、死亡記事が出ている図書館員については64%が男性であった、とされています。
OVERLOOKED: How The New York Times Covers Librarian’ Obituaries(JSTOR DAILY、2018/3/22付け)
https://daily.jstor.org/overlooked-how-the-new-york-times-covers-librarians-obituaries/
Dilevko, J., & Gottlieb, L. (2004). The Portrayal of Librarians in Obituaries at the End of the Twentieth Century. The Library Quarterly: Information, Community, Policy, 74(2), 152-180. doi:10.1086/382845
https://www.jstor.org/stable/10.1086/382845
参考:
Ithaka S+R、北米研究図書館協会(ARL)参加館の職員の多様性に関する調査の報告書を公開
Posted 2017年9月1日
http://current.ndl.go.jp/node/34606
CA1674 – 「男性図書館員」の肖像 / 河合将彦 カレントアウェアネス No.298 2008年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1674
CA1197 – アメリカ合衆国の図書館における男女の賃金格差 / 星野絵里子 カレントアウェアネス No.226 1998.06.20
http://current.ndl.go.jp/ca1197