科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、調査資料「日本の大学システムのアウトプット構造」を公開

2018年3月20日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、調査資料「日本の大学システムのアウトプット構造:論文数シェアに基づく大学グループ別の論文産出の詳細分析」を公開しました。

同資料は、日本における論文産出の約7割を大学が占めていることを踏まえ、2009年から2013年の日本国内の自然科学系の論文数シェアにおける各大学の数値によって4つのグループに分け、各グループの論文産出の特徴について調査を行ったものです。論文数と注目度の高い論文(被引用数が上位10%の論文)の数に加え、論文の分野構成や研究をリードしている責任著者の所属等新たな観点から分析を行って、論文数で見た大学規模による論文産出の特徴の違いを明らかにしています。

同資料では、各グループの論文が日本国内の論文数に占める割合は以前とほぼ同じで、注目度の高い論文は論文数シェアの高い大学の比率が大きいとしています。各グループでの論文の分野構成は異なるが、化学、材料科学、物理学は全てのグループで論文数が減少しているとしています。各グループの論文数は増加しているものの、責任著者が自大学に所属する論文数は横ばいで、責任著者が海外機関に所属する論文の数が増加していると述べられています。

日本の大学システムのアウトプット構造:論文数シェアに基づく大学グループ別の論文産出の詳細分析[調査資料-271]の公表について(NISTEP,2018/3/20)
http://www.nistep.go.jp/archives/36014
http://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-RM271-PressJ.pdf
※2つ目のURLはプレスリリース(PDF: 14ページ)です。

報告書全文(PDF: 72ページ)
http://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-RM271-FullJ.pdf

参考:
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、調査資料「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2015」を公表
Posted 2015年12月18日
http://current.ndl.go.jp/node/30269

科学技術政策研究所、調査資料「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2011」を公表
Posted 2012年8月6日
http://current.ndl.go.jp/node/21542

被引用数上位の論文とそれ以外の論文の違いに見る、日本の科学研究プロジェクトの実態
Posted 2010年11月5日
http://current.ndl.go.jp/node/17066