スイス科学財団、2018年4月から単行書のオープンアクセス化費用BPCも助成の対象にすることを発表 10月からは図書の一部の章に範囲を拡大

2017年12月13日、スイス科学財団(SNSF)は同機関の助成を受けた研究の成果に関するオープンアクセス(OA)方針の一部を改訂し、新たに単行書のオープンアクセス化にかかる費用BPC(Book Processing Charge)も費用支払いの対象とすることを発表しました。

SNSFのOA方針では雑誌論文の処理加工料(APC)は従来から費用支払いの対象となっていました。2018年4月1日からは単行書のBPCを、さらに2018年10月1日からは一部の章のOA化費用BCPC(Book Chapter Processing Charge)も費用支払いの対象に加えるとのことです。一方で、図書をセルフアーカイブ(Green road)で公開する場合、従来は24カ月としていたエンバーゴ期間を12カ月に短縮するとされています。

なお、OA方針の対象となる成果に例外は設けられていませんが、図書については、図書の中で使用している図版の使用料が非常に高額である場合は例外を認めるとされています。

As of 2020: 100% Open Access to SNSF-funded research(SNSF、2017/12/13付け)
http://www.snf.ch/en/researchinFocus/newsroom/Pages/news-171213-100-percent-open-access-to-snsf-research.aspx

Open Access to Publications(SNSF)
http://www.snf.ch/en/theSNSF/research-policies/open-access/Pages/default.aspx#OA%202020%20Policy

参考:
スイス科学財団、同機関のオープンアクセス方針の履行状況に関するモニタリングレポートを公開
Posted 2016年5月11日
http://current.ndl.go.jp/node/31572

スイス科学財団、2017年10月以降の助成申請に際し、データ管理計画の提出を申請要件に
Posted 2017年3月9日
http://current.ndl.go.jp/node/33625

スイス科学財団、学術出版をオープンアクセスに転換する方法を比較調査した報告書を公開
Posted 2016年11月30日
http://current.ndl.go.jp/node/33015

スイス高等教育機関長会議、オープンアクセスに関する国家戦略を採択
Posted 2017年2月14日
http://current.ndl.go.jp/node/33463

CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子 カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1907