2017年8月19日から8月25日までポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、スイス国立図書館のバーバラ(SIGNORI, Barbara)氏による“Preserving cultural heritage: Better together!”と題する文献が公開されています。
単独ではスイス全体のウェブサイトをアーカイブすることは不可能との判断のもと、地域の文化遺産を収集・保存する義務を負っている各州(カントン)立図書館と連携することとし、2013年から11の州立図書館とのパイロットプロジェクトを開始した、スイス国立図書館によるウェブアーカイブ事業“Web Archive Switzerland”を紹介するものです。
同プロジェクトでは、各州立図書館が収集するウェブ情報の選定とメタデータの作成を、スイス国立図書館が権利関係の処理や収集・保存・利用提供を担当しており、2017年時点では30の機関が参加し、7,800点のウェブサイトの27,300件のスナップショットが保存されていることが紹介されています。
そして、インターネットの出現以来の、ボーンデジタル資料を含むコンテンツの増大に対応するための課題として、収集対象・収集規模・コストをあげ、選定基準の策定(無償、各州の重要コンテンツ、地方自治体・スイス政府のウェブサイト、イベント)、収集頻度や差分収集、参加機関での費用分担やウェブアーカイブへの理解の促進といった現状の取組や今後の展望が述べられています。
Preserving cultural heritage: Better together! (IFLA Library)
http://library.ifla.org/1801/
http://library.ifla.org/1801/1/S08-2017-signori-en.pdf
参考:
Internet Archive、公共図書館による地域の歴史のウェブアーカイブ構築を目的とした継続教育プログラム“Community Webs”を実施
Posted 2017年7月19日
http://current.ndl.go.jp/node/34387