図書館空間の再設計と読書文化の振興:シンガポールコミュニケーション・情報通信省の2017年の計画

2017年3月6日、シンガポールのイブラヒム(Yaacob Ibrahim)コミュニケーション・情報通信大臣は、下院予算委員会において、同省の2017年の計画の要点として、国民が人生を通じて共に学び、学習ニーズを満たすためのテクノロジーを導入するための基盤としての図書館空間の再設計と、読書文化振興のための民間セクターとの連携について説明しています。

まず、図書館空間の再設計としては、今年リニューアルオープンする以下の4館の説明を行なっています。

〇センカン公共図書館
・10歳から14歳までの子どもが、話し合ったり創造的な活動をするための柔軟な座席配置が可能なスペースの配置
・推薦された電子書籍(シンガポール国立図書館委員会(NLB)のモバイルアプリからのダウンロードが可能)を閲覧できるインタラクティブなディスプレイの設置

〇ブキ・パンジャン公共図書館
・音響や照明を使える子ども用読み聞かせルームの配置

〇タンパインズ地域公共図書館 
・3Dプリンターや共同作業スペースの配置

〇ベドク公共図書館
・高齢者向けの大活字本を備えた専門室の配置

また、読書文化振興では、昨年から380を超す企業が参加して、従業員の母語での読書活動を促進する運動“National Reading Movement”を開始したものの、全国読書週間調査で週に1回以上読書をするとの回答が19%であったことから、取り組みには改善の余地があるとし、NLBが、中小企業のグループと共同で、知識・技能やお気に入りの本を共有してビジネス感覚を養う取り組みを実施することが紹介されています。

また、NLBでは、若者向け読書プログラムKidsReadのカリキュラムの改善や、保護者が子供たちと一緒に読書ができる家庭用読書セットの開発が予定されていることも紹介されています。

Second response by Dr Yaacob Ibrahim, Minister for Communications & Information, at the Committee of Supply Debate on 6 Mar 2017(コミュニケーション・情報通信省)
https://www.mci.gov.sg/pressroom/news-and-stories/pressroom/2017/3/connecting-people-engaging-communities

Revamping libraries to be vibrant places of learning(The Straits Times,2017/3/7)
http://www.straitstimes.com/singapore/revamping-libraries-to-be-vibrant-places-of-learning

参考:
シンガポールで、書籍のジャンルにあわせてラッピングされた列車が運行:QRコードを用いた電子書籍の提供も
Posted 2016年10月25日
http://current.ndl.go.jp/node/32796