「ぬいぐるみお泊まり会」が子どもの読書活動に与える効果について調査した論文が、2017年2月28日、Heliyon誌で公開されました。
岡山大学大学院教育学研究科の岡崎善弘講師らによる共同研究グループの調査で、3歳から5歳の幼稚園児42人を対象に、お泊まり会前後での子どもの読書活動の変化を調べたものです。
お泊まり会前は、ぬいぐるみに対して絵本の読み聞かせをする子どもが2人しかいなかったのに対し、ぬいぐるみを子どもたちに返した当日は、21人の子どもがぬいぐるみに読み聞かせを行っており、能動的な読書活動が増えたとのことです。
一方で、お泊まり会後3日経つと、読み聞かせをする子どもの数が4人に減っていることから効果が続く期間は3日程度と短いこと、お泊まり会から1カ月後、子どもたちにお泊まり会のエピソードを思い出させると、その前後で読み聞かせをする子どもの数が再び増加することも指摘されています。
Yoshihiro Okazaki, Atsushi Asakawa, Kentaro Ishii, Yuki Yamada. The stuffed animal sleepover: enhancement of reading and the duration of the effect. Heliyon, 2017, 3(2).
https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2017.e00252
http://www.heliyon.com/article/e00252/
“子どもの「読書離れ」解決の鍵はぬいぐるみ!? ”読書活動を推進するための人気イベント「ぬいぐるみお泊まり会」の効果を実証 子どもの読書活動の自発性を促す役割期待(岡山大学,2017/2/28)
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id449.html
プレスリリース(岡山大学)
http://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press28/press-170228.pdf
参考:
E1127 – 「ぬいぐるみの図書館おとまり会」現場の様子と舞台裏(日本)
カレントアウェアネス-E No.185 2010.12.16
http://current.ndl.go.jp/e1127
E1088 – 子どものお気に入りのぬいぐるみが図書館でお泊まり会(米国)
カレントアウェアネス-E No.178 2010.09.02
http://current.ndl.go.jp/e1088