E1088 – 子どものお気に入りのぬいぐるみが図書館でお泊まり会(米国)

カレントアウェアネス-E

No.178 2010.09.02

 

 E1088

 子どものお気に入りのぬいぐるみが図書館でお泊まり会(米国)

 

 米国の公共図書館では,子ども向けのイベントとして,子どものお気に入りのぬいぐるみが図書館で一晩を過ごす「ぬいぐるみのお泊まり会」(stuffed animal sleepover)が各地で実施されている。ぬいぐるみが夜の図書館を楽しんでいる様子が写真に撮られ,それを見た子どもが喜ぶという,人気のイベントとなっているようである。このイベントの概要などについて紹介する。

 「お泊まり会」の手順は,おおむね次のようなものとなっている。イベント当日の夕方,親に連れられた子どもたちは,テディベアや犬や猫,アニメのキャラクターなど,自分のお気に入りのぬいぐるみや人形などと一緒に図書館に集まる。ぬいぐるみと一緒におはなし会などを楽しんだ後,子どもはぬいぐるみを寝かしつけ,おやすみを言って,親と一緒に家に帰る。

 子どもたちが帰った後が,図書館員たちの腕の見せ所となる。ぬいぐるみが本を読んだりパソコンを使ったり,書棚で隠れんぼをしたり図書館長の椅子に座ったりと,図書館内で様々なことをしているようなポーズを取らせ,デジタルカメラで写真を撮るのである。翌日,ぬいぐるみを迎えに来た子どもたちに,自分のぬいぐるみの写った写真がプレゼントされる。子どもたちは,自分の「友達」が図書館でどれだけ楽しんでいるかを見て非常に喜ぶとのことである。

 実施している図書館員によるブログ記事などでは,「簡単に実施できるイベントながら反響は非常に大きい」「ぜひもう一度実施したい」などの感想が記されている。米国では,子どもたち自身が図書館に泊まるお泊まり会も実施されているようであるが,ぬいぐるみのお泊まり会の場合は,関係者の誰もがきちんと眠れるという点も評価されているようである。

 ペンシルバニア州リドリーの公共図書館では,このお泊まり会にアイデアを得た新たな試みとして,ぬいぐるみがビーチへお出かけする「テディベア・ビーチトリップ」を実施した。子どもからぬいぐるみを預かる際に,ビーチでぬいぐるみが経験していることを想像させるためにビーチに関する本を勧めたり,ビーチでぬいぐるみが読書をしている写真を撮るなど,読書と関連付けたものとなっているようである。この企画を実施した児童サービス担当者は,「子どもたちをワクワクさせること,想像力を働かせてもらうことを目指している」とコメントしている。

Ref:
http://librarygarden.net/2010/08/13/friday-fun-stuffed-animals-sleep-over-at-princeton-public-library/
http://tinytipsforlibraryfun.blogspot.com/2009/03/stuffed-animal-sleepover.html
http://www.abbythelibrarian.com/2008/05/stuffed-animal-sleepover.html
http://www.post-gazette.com/pg/07025/756460-55.stm
http://www.schoollibraryjournal.com/slj/newsletters/newsletterbucketextrahelping/885551-443/toys_in_the_library_inspire.html.csp