米・マサチューセッツ大学アマースト校図書館、オープンな学習教材に関する学生調査の結果を発表

2017年2月8日、米・マサチューセッツ大学アマースト校図書館は、同館の学術コミュニケーションオフィスによるオープンな教科書に関するイニシアチブ(OEI)が学部学生を対象に行った調査の結果を発表しています。

同館が、イニシアチブに参加するクラスの教員に対して資金を提供し、値段の高い教科書の代わりに、教員がオープンな教育リソース(OER)を用いて教材を作成するもので、それら教材等についての意見を、450人の学生(哲学、運動学、天文学、フランス語、ドイツ語、人間発達学)から聴取したものです。

調査結果として以下のことが指摘されています。

・88%の学生が、他のコースの教科書と比べて、その内容が同等かそれ以上であると回答
・半数を超える学生が、それら教材を用いることで、クラスへの参加・関与・達成の度合が増したと回答
・78%の学生が低価格、無料の教材を用いた他のコースにも登録すると回答
・59%の学生が教科書の値段が高いために教科書を購入していないと回答
・20%の学生が教科書の値段が高いためにその授業を選択しなかったと回答
・24%の学生が教科書の値段が高いために別の授業を選択したと回答
・49%の学生が学生ローンの事を考え、学びたい分野とは異なるコースを選択したと回答
・50%の学生が、違法コピーをダウンロードしたと回答
・66%の学生が教科書を友人と共有したと回答
・44%の学生が旧版を使ったと回答
・62%の学生が、各セメスターごとの教材費として200ドル以上を支払っていると回答
・紙資料よりデジタル版を好むと回答

Results of Open Education Initiative survey announced(マサチューセッツ大学アマースト校図書館,2017/2/8)
https://www.library.umass.edu/news/scholarly-communications/oei-survey-results/

参考:
高等教育機関の教員のオープン化された教育資源への認識や態度に関する調査報告書(米国)
Posted 2016年7月28日
http://current.ndl.go.jp/node/32183

北米研究図書館協会が報告書シリーズ“SPEC Kit”第351号を刊行 -「手頃な価格の講座(ACC)とオープン教材(OER)」がテーマ
Posted 2016年7月13日
http://current.ndl.go.jp/node/32074

OERおよびMOOCと図書館の役割についての調査レポート
Posted 2014年3月6日
http://current.ndl.go.jp/node/25639