International Journal of Digital Curation誌の最新号(Vol. 11, No. 2, 2016)に、研究用ソフトウェアの引用をテーマとした査読論文“Citations for Software: Providing Identification, Access and Recognition for Research Software”が掲載されています。
本文献では、ソフトウェア開発作業に関する既存の標準やガイドラインをレビューしています。加えて、これらの標準等が既存のツールや学術コミュニティの文化にどのように統合されているのかを明らかにし、今後ソフトウェアを引用するに際し推奨される方策を提案しています。
結論では、学術文献の引用方法などの分野による違い、ソフトウェア引用に関する標準やガイドラインに対する知識の不足、それらの標準等の利用方法に関する合意の不在、などの課題を指摘しており、ソフトウェアを利用しやすくする「メタソフトウェア(metasoftware)」の開発を進めるべきだとしています。
Citations for Software: Providing Identification, Access and Recognition for Research Software
http://dx.doi.org/10.2218/ijdc.v11i2.390
参考:
E1820 – 研究用ソフトウェアの持続可能性
カレントアウェアネス-E No.307 2016.07.14
http://current.ndl.go.jp/e1820
米国科学財団(NSF)、3,500万ドルを助成して、科学研究に使用されるソフトウェアの持続可能性向上のための機関を設立
Posted 2016年8月4日
http://current.ndl.go.jp/node/32244
米国国立衛生研究所(NIH)、研究データマネジメント戦略と研究データ・ソフトウェアの引用に関する情報提供依頼を公開
Posted 2016年11月22日
http://current.ndl.go.jp/node/32979