オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とUNESCOによるオープンアクセスに関する共同声明

2016年5月9日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とUNESCOによるオープンアクセスに関する共同声明が発表されました。

・予算規模の小さな機関や発展途上国に配慮すべきである
現状、研究が行われるにあたって特定の地域や研究分野によって偏りが生じている学術出版システムをこれ以上ゆがめないためにも、論文処理費用(Article Processing Charge:APC)を払えない研究者を支援する仕組が必要である。

・国際的な出版社への一極集中を避けるべきである
出版費用を自己負担するモデルに遷移してしまうと、こういった出版社に左右されることが慣行化してしまい、かつ新規参入の出版社やAPCモデル以外のモデルを阻却してしまう。

・費用削減の途を探るべきである
購読契約のオープンアクセス(OA)モデルへの遷移によって、APCが削減されるという研究もあり、APCを支払うための補助を行なうだけでは、費用は低廉化できず、革新も妨げられ、新しいモデルやツールを活用しようという学術コミュニティの力を阻害してしまう。

といったことが示されています。

Joint COAR-UNESCO Statement on Open Access(UNESCO, 2016/5/9)
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/joint_coar_unesco_statement_on_open_access/#.VzGK8dJdDL8
http://www.unesco.org/new/fileadmin/MULTIMEDIA/HQ/CI/CI/pdf/news/coar_unesco_oa_statement.pdf
※2つ目のリンクは声明のPDFファイルです。

Joint statement about open access by COAR and UNESCO(COAR, 2016/5/10)
https://www.coar-repositories.org/news-media/coar-and-unesco-joint-statement-about-open-access/

参考:
E1287 – ユネスコがOAポリシー策定を支援するガイドラインを発表
カレントアウェアネス-E No.214 2012.04.26
http://current.ndl.go.jp/e1287

CA1566 – 発展途上国における学術情報流通とオープンアクセス / 竹内比呂也
カレントアウェアネス No.285 2005.09.20
http://current.ndl.go.jp/ca1566

※リンクを追記しました(2016年5月10日)。