2016年1月26日付けのGuardian紙が、ニューヨークを基盤として活動し、バクダットで学んでいた際にはしばしばその図書館に訪れていたイラク系アメリカ人のアーティストWafaa Bilal氏による、クラウドファウンディングとパフォーマンスアートによって、2003年に略奪者の放火により蔵書を焼失したバクダット大学の美術学部の図書館に書籍を送る活動を紹介しています。
Bilal氏が2016年1月30日からオンタリオのアート・ギャラリー・オブ・ウインザーで行っている展示では、72フィートの書架に1,000冊の何も書かれていない書籍が置かれている展示“168:01”が目玉となっているとのことです。
そして、クラウドファウンディングKickstarterに25ドル(17.60ポンド)寄付することで、Bilal氏は、何も書かれていない書籍(blank book)を実際の書籍に変え、何も書かれていない書籍は寄付者に提供され、実際の書籍はバクダットに向けて送られるとのことです。
このプロジェクトは、Bilal氏の思ってもいなかった方向に進化しており、例えば、米国の図書館員は、図書館のためのある種のウィッシュリストを作成するためのデジタルインデックスの構築に力を貸すなどしているとのことです。
Artist’s ‘blank books’ project seeks to restock historic Baghdad library (The Guardian,2016/1/26付け記事)
http://www.theguardian.com/artanddesign/2016/jan/26/wafaa-bilal-168-01-blank-books-project-ontario-baghdad-library
Wafaa Bilal氏のウェブサイト
http://wafaabilal.com/
Wafaa Bilal: 168:01(アート・ギャラリー・オブ・ウインザー)
https://www.agw.ca/exhibitions/upcoming/434
One Hundred Sixty-Eight Hours and One Second(Kickstarter)
https://www.kickstarter.com/projects/307933775/one-hundred-sixty-eight-hours-and-one-second
参考:
CA1522 – イラク図書館・文書館の戦禍と復興支援 / 安田浩之
カレントアウェアネス No.280 2004.06.20
http://current.ndl.go.jp/ca1522