2016年2月7日付の国際図書館連盟(IFLA)のブログに、世界の公共図書館の現状を紹介する“’Guest Blogger’ series”の記事として、ベルリン中央・地域図書館のSarah Dubek氏による“Refugees Welcome: library membership cards for refugees in Berlin—first numbers after four months”と題する記事が掲載されています。
IFLAの公共図書館常任委員会では、欧州の公共図書館におけるシリア難民に関する対応を収集しているとのことで、この記事では、2015年10月から2016年1月までのベルリン中央・地域図書館における対応状況が紹介されています。
記事によると、2015年に、ベルリンには約7万9,000人の難民があり、そのうち24%はシリアからであったとのことで、これを受け、ベルリンの公共図書館協会(Verbund der Öffentlichen Bibliotheken Berlins:VÖBB)は、国内で先がけて図書館カードについて難民が登録する際の正式な証明書を不要とし、一時的な滞在証明書や宿泊証明での発行を可能としたようです。
難民の人々に発行されるカードは、「ウェルカムカード」(Willkommensausweise)という名称で、無料で3か月の有効期間を持ち、いずれのベルリンの公共図書館でも使用でき、電子書籍や音楽のストリーミングサービスなどにアクセスできるほか、1度に10点まで資料を貸出可能なようです。
登録者は、10月に253名だったものの徐々に増加し、1月には1,563名に及んでいます。
このカードは2015年6月に開始されたもので、10月には7つの言語のチラシが、難民家庭に配布されたようです。
Refugees Welcome: library membership cards for refugees in Berlin?first numbers after four months(IFLA blogs, 2016/2/7)
http://blogs.ifla.org/public-libraries/2016/02/07/refugees-welcome-library-membership-cards-for-refugees-in-berlin-first-numbers-after-four-months/
参考:
国際図書館連盟(IFLA)の公共図書館常任委員会、世界の公共図書館の現状を紹介する“’Guest Blogger’ series”を開始
Posted 2015年10月8日
http://current.ndl.go.jp/node/29608
国境なき図書館、”Ideas Box”公開セレモニーをニューヨーク公共図書館で開催
Posted 2014年3月26日
http://current.ndl.go.jp/node/25766
CA1810 – 動向レビュー:国境なき図書館と国際キャンペーン『緊急時の読書』 / 鎌倉幸子
No.318 2013年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1810