国立国会図書館、電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業を開始

国立国会図書館(NDL)では、市販されている電子書籍・電子雑誌の収集に関する制度の在り方を検討するため、電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業を2015年12月1日から実施します。

今回の実証実験は、主に次の2つの目的で行います。

(1)電子書籍・電子雑誌の収集及び長期的な保管・利用の技術的検証を行うこと。
(2)国立国会図書館内で電子書籍・電子雑誌を閲覧に供することによる電子書籍・電子雑誌ビジネスへの影響の検証や納入時の費用の調査分析を行うこと。

この事業では、事業の受託者である一般社団法人日本電子書籍出版社協会から送信される電子書籍・電子雑誌のデータを国立国会図書館施設(東京本館・関西館)内の特定端末計20台から閲覧することができます。

1点の資料は同時に1つの端末からしか閲覧できません。1つの端末から同時に複数の資料を閲覧することはできません。また、複写提供は行いません。

実証実験の目的のため、利用された方には、アンケートに御協力いただく予定です。また、どのような電子書籍・電子雑誌が閲覧されたかに関して、システムにより情報を収集します。アンケートの回答及び閲覧に関する情報は、個人を特定できる情報と結びつけて分析することはありません。

閲覧可能な電子書籍・電子雑誌は、出版社及び著作者の御協力の下、提供されたもので、事業開始時点では、雑誌、文芸、実用、新書、コミック等幅広いジャンルから800点以上の提供を予定しています。提供タイトルは、今後、順次追加していく予定です。

現在、電子書店などで販売されている電子書籍・電子雑誌は「納本制度」の対象外としていますが、電子書籍・電子雑誌もわが国の貴重な文化財であることに変わりはないため、法制度を整備した上で収集することを検討しています。

2012年に国立国会図書館法が改正され、無償かつDRM(技術的保護手段)なしに公開されている電子書籍・電子雑誌は、国立国会図書館で制度的に収集することとなりました(2013年7月施行)が、有償の電子書籍・電子雑誌については、収集に当たっての補償の在り方や収集・保存に関する技術的課題が未解決であるために、制度的収集の対象から除外されました。

今回の実証実験事業は、これらの課題を着実に解決するために実施するものです。

電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業の開始について(付・プレスリリース)(NDL,2015/11/30)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2015/1212988_1830.html
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2015/__icsFiles/afieldfile/2015/11/24/pr151130.pdf

電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業のページ(NDL)
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/deposit/dbdemo.html