2015年6月29日、日本図書館協会(JLA)図書館の自由委員会は、同委員長名義で「図書館資料の収集・提供の原則について(確認)」を公表しました。
この文書は1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者である元少年が書いたとされる手記『絶歌』の図書館での取り扱いについて確認する目的で発表されたものです。2015年6月11日の同書刊行以来、日本図書館協会に対しても同書の図書館での取り扱いについて多くの問い合わせが来ているとのことです。
文書では「図書館の自由に関する宣言」に基づき、同宣言では収集の制限に首肯していないこと、また提供制限を行うことがありうる3要件を確認した上で、「各図書館におかれては,以上に示した原則に照らして日頃から主体的にご判断いただいているものと考えますが、本件は上記の提供制限要件には該当しないことを念のため申し添えます」としています。
図書館資料の収集・提供の原則について(確認)(日本図書館協会 図書館の自由委員会、2015/6/29付け)
http://www.jla.or.jp/portals/0/html/jiyu/cmnt201507.html
元少年Aの手記「絶歌」、図書館の制限対象に当たらず 日本図書館協会が見解(ITmedia、2015/6/30付け)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1506/30/news070.html
参考:
図書館の自由委員会、「差別扇動本とされる蔵書の提供について」を公表
Posted 2015年6月16日
http://current.ndl.go.jp/node/28688
【イベント】「図書館の自由に関する宣言」60周年記念講演会(8/8・東京)
Posted 2015年6月16日
http://current.ndl.go.jp/node/28680
E1472 – 「はだしのゲン」閲覧制限に関する図書館関係団体等の動き カレントアウェアネス-E No.244 2013.09.12
http://current.ndl.go.jp/e1472
CA881 – マドンナSexと図書館の自由 / 斎藤憲司 カレントアウェアネス No.166 1993.06.20
http://current.ndl.go.jp/ca881
JLA、素案「加害少年推知記事の扱い(提供)について」を発表
Posted 2006年11月6日
http://current.ndl.go.jp/node/4869