米国著作権局、孤児著作物と大規模デジタル化に関する報告書を発表

2015年6月4日、米国著作権局は、孤児著作物と大規模デジタル化に関する報告書“Orphan Works and Mass Digitization: A Report of the Register of Copyrights”を公開しました。

報告書は、孤児著作物を使用し、または大規模デジタル化プロジェクトに従事しようとする善意のユーザーが直面する法的やビジネス面での課題を説明しているとのことです。

孤児著作物に関して、報告書は、訴訟の発展や公の議論により更新や変化はあるももの、7年前に上院を通過したShawn Bentley Orphan Works Actを活用したドラフト草案を規定しているとのことです。

デジタル化に関して、報告書は、世界中で使用中か検討中の広範囲の共同ライセンスのフレームワークの経験を米国が許可する、より漸進的なアプローチを要求しているとのことです。

また著作権局は、権利者とユーザーの代表の間で合意される条件のもと、研究と教育の目的のために確かな著作物がユーザーによってデジタル化され提供できる“pilot program ”を提案しているそうです。

適切な立法化のため、著作権局は報告書と同時にお知らせを出しており、このプログラムの視野や管理に関するさまざまに課題についてのパブリックコメントを募集しているとのことです。

Copyright Office Releases Report on Orphan Works and Mass Digitization(米国著作権局,2015/6/4)
http://copyright.gov/newsnet/

Orphan Works and Mass Digitization: A Report of the Register of Copyrights(米国著作権局)
http://copyright.gov/orphan/reports/orphan-works2015.pdf

参考:
米国著作権局、孤児著作物と大規模デジタル化の問題に関して公聴会の開催と意見招請を予定
Posted 2014年2月10日
http://current.ndl.go.jp/node/25456

“Orphan Works”に関する法律案、連邦議会上院を通過
Posted 2008年9月30日
http://current.ndl.go.jp/node/8925

CA1838 – 欧米における図書館活動に係る著作権法改正の動向 / 南 亮一
カレントアウェアネス No.322 2014年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1838