2013年10月3日、東京大学附属図書館は、研究・教育分野における電子書籍の活用方法を見いだすための実証実験を開始すると発表しました。
東京大学は、東京大学附属図書館を中心に学内の知識基盤を再整備するプロジェクト「東大新図書館計画」を実施しており、この実証実験は、その柱であり、電子書籍と紙書籍とを統合的に相互利用できる「ハイブリッド図書館」構想を実現するための実験にあたるとのことです。
「ハイブリッド図書館」構想実現に向けた先進的な取り組みとして、電子学術書を活用する実証実験、書評行為を通じて「ハイブリッド書架」を制作する実証実験が紹介されています。
電子学術書を活用する実証実験は、京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)、京セラ丸善システムインテグレーション株式会社と共同で行われ、電子書籍配信サービス「BookLooper」を使用して、教師・学生間で電子学術書への書き込み・読書体験を共有する機能や外部の知識ネットワークとの連携など授業や学術研究を支援する仕組みが新たに開発されるとのことです。附属図書館で実施される全学自由研究ゼミナール「未来の書物の未来」の授業において、かつて同大学で教鞭をとった南原繁氏の著書や丸山眞男氏の講義録など10冊余りの電子学術書などあわせて約1,000冊の電子図書をPCやタブレット端末で活用していくとのことです。
「ハイブリッド書架」制作の実証実験は、書評や推薦情報をよりどころに、書籍や著者を関連付け、興味の対象に沿いながら、認識していなかった書籍にたどり着ける機会を提供する株式会社ユニークアイディの技術を使うもので、「新図書館」の設備プロトタイプとなることをめざして同社と共同で実施されるとのことです。
記者会見「東大新図書館計画におけるハイブリッド図書館実証実験の開始」
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_251003_02_j.html
東京大学附属図書館・KCCSグループが研究・教育分野における電子学術書利用の先進モデルを開発(京セラコミュニケーションシステム株式会社)
http://www.kccs.co.jp/release/2013/1003/index.html
東京大学附属図書館・KCCSグループが研究・教育分野における電子学術書利用の先進モデルを開発~KCCSグループの提供する「BookLooper」を活用し実証実験を開始~(京セラ丸善システムインテグレーション株式会社)
http://www.kmsi.co.jp/press/2013-10-03.html
東京大学附属図書館・KCCSグループが研究・教育分野における電子学術書利用の先進モデルを開発(CNET Japan 2013/10/3付けの記事)
http://japan.cnet.com/release/30054200/
東大が描く次代の図書館像、電子書籍で書き込み共有し知の流通を実証実験(IT Leaders 2013/10/4付けの記事)
http://it.impressbm.co.jp/e/2013/10/04/5144
参照:
京セラコミュニケーションシステムが大学・企業向け電子書籍配信サービス“BookLooper”を発表
http://current.ndl.go.jp/node/22592