2024年12月10日付けで、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌37号に、オーストリアの転換契約におけるコンソーシアム内の費用分担モデルに関する論文“Preparing institutions for the transition: consortial cost-sharing models in transformative agreements in Austria”が掲載されています。
オーストリアでは、全国規模の転換契約については、60以上の大小様々な規模の大学や研究機関等が参加するオーストリア学術図書館コンソーシアム(Kooperation E-Medien Österreich:KEMÖ)が交渉を行っており、現在16件の転換契約が締結されています。KEMÖはボトムアップ型の組織で、その運営資金は全て参加館の会費で賄われています。全ての転換契約はオプトイン方式で、各機関が契約に参加するかどうかを決定できますが、公的な資金援助がないため、契約に関する全ての費用を参加館が負担しなければならないことになっています。
論文では、オーストリアにおけるOA進展の歩みに触れつつ、コンソーシアム参加館間の費用分担について、これまでに検討されてきた費用分担モデルや実際に導入されたモデルについて紹介されています。
Pinhasi, Rita; Kromp, Brigitte. Preparing institutions for the transition: consortial cost-sharing models in transformative agreements in Austria. Insights. 2024, 37.
https://doi.org/10.1629/uksg.671
関連:
OPEN ACCESS(KEMÖ)
https://www.kemoe.at/english/open-access
参考:
英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とオーストリア学術図書館コンソーシアム(KEMÖ)、3年間の“Read & Publish”契約を締結 [2020年03月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/40396
米国化学会(ACS)の出版部門とオーストリア学術図書館コンソーシアム(KEMÖ)、3年間の“Read & Publish”契約を締結 [2020年02月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/40333
オーストリア学術図書館コンソーシアム(KEMÖ)、Springer Nature社との“Read & Publish”契約を更新 [2019年09月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/38944
欧州4カ国において、ゴールドOAで論文を発表する責任著者の割合が70%以上に Springer Natureが発表 [2017年10月24日]
https://current.ndl.go.jp/car/34885
2025年までにすべての研究成果をオープンアクセスにするために(オーストリア) [2015年12月01日]
https://current.ndl.go.jp/car/30105
Springer社とオーストリアの大学図書館コンソーシアム、同社の1,600点以上の雑誌からの研究成果のOA化について合意 [2015年09月17日]
https://current.ndl.go.jp/car/29457