オープンアクセスは学術ジャーナルビジネスを破壊させるのか?(文献紹介)

Journal of Informetrics誌の18巻4号に、オープンアクセス(OA)と学術ジャーナルビジネスの関係に関する論文“Is open access disrupting the journal business? A perspective from comparing full adopters, partial adopters, and non-adopters”が掲載されています。著者は、ドイツ・イルメナウ工科大学のZhang Xijie氏です。

OA出版が始まってから20年が経過し、その影響は依然として学術的な議論の焦点となっているとし、論文では、「破壊的イノベーション」(disruptive innovation)の概念を用いて、OAが従来の購読出版システムにどのように、またどの程度影響を与えているかが検証されています。

具体的には、ゴールドジャーナル(OA完全採用)の市場力の評価について、ハイブリッドジャーナル(OA部分的採用)やクローズドアクセスジャーナル(OA非採用)との比較が試みられているほか、ハイブリッドジャーナルとクローズドアクセスジャーナルの市場力の対比などがなされています。

Zhang, Xijie. Is open access disrupting the journal business? A perspective from comparing full adopters, partial adopters, and non-adopters. Journal of Informetrics. 2024, 18(4).
https://doi.org/10.1016/j.joi.2024.101574

参考:
E1277 – 2020年,学術論文の90%はOA誌に掲載される?<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.212 2012.03.29
https://current.ndl.go.jp/e1277