図書館情報学分野の国際的なオープンアクセス(OA)ジャーナル“Open Information Science”の8巻1号に、停電が図書館サービスに与える影響について考察した論文““Librarying” Under the Candlelight: The Impact of Electricity Power Outages on Library Services”が掲載されています。
停電は南半球諸国で多く発生していますが、主に地球温暖化の影響で頻発するようになった自然災害により北半球諸国でも時折見られるとし、停電が図書館サービスに与える影響について考察しています。調査に当たっては、文献調査のほか、ほぼ毎日定期的に停電が起きた南アフリカで活動する研究者の実体験に基づく情報も活用されています。
調査結果として、電子的なリソースやサービスへのアクセスが困難になり、図書館の開館時間の調整や閉館の必要性が生じるなど、日常的なサービスに影響を与え、利用者と図書館員の双方にフラストレーションをもたらすことが指摘されています。また、停電の影響を軽減する解決策の例として、バックアップ発電機などの使用、代替エネルギー源の使用、オフライン又は調整可能なオプションの採用などが挙げられています。
Bangani, Siviwe. “Librarying” Under the Candlelight: The Impact of Electricity Power Outages on Library Services. Open Information Science. 2024, vol. 8, no. 1.
https://doi.org/10.1515/opis-2024-0008
参考:
千葉歴史・自然資料救済ネットワーク、「停電時の湿度管理について」を発表 [2019年09月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/39072