2024年6月28日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、「研究論文に着目した日英独の大学ベンチマーキング2023」を公開しました。
日本の研究力向上を検討するに当たり、論文産出において主要な役割を果たす大学等部門の動向や他国と比べた日本の特徴の把握が必要であるとの問題意識から、NISTEPでは、大学ベンチマーキング(相対的な状況把握)の報告書をおおむね4年ごとに公表しています。
今回の報告書では、日本及び論文数が日本と比較的近い英国・ドイツの大学システムの状況(論文産出構造、大学における論文数分布等)について、前回の2019年調査のデータが更新されています。また、国際共著ネットワークが拡大している状況を踏まえ、論文の責任著者に注目した研究活動におけるリード度の把握に向けた分析結果等が示されています。
分析結果の概要としては、次のようなものが挙げられています。
・ 日本の大学システムは、英国・ドイツと比べて上位に続く層が薄い状況が示された。
・ 国際共著ネットワークが拡大する中、国際共同研究をリードできる研究者が自大学にいることが重要であることが示唆された。
・ 日本の上位大学の研究力向上には、共著相手となる国内他大学・機関においても、国際共同研究をリードできる研究者がいることが重要であると考えられる。
・ 日本の中小規模大学においても、特定分野で国際共同研究をリードできる研究者が存在している。
研究論文に着目した日英独の大学ベンチマーキング2023(NISTEPライブラリ)
https://doi.org/10.15108/rm340
関連:
研究論文に着目した日英独の大学ベンチマーキング2019―大学の個性を活かし、国全体としての水準を向上させるために―(NISTEPライブラリ)
https://doi.org/10.15108/rm288
参考:
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2015」のウェブ版を公開 [2016年05月12日]
https://current.ndl.go.jp/car/31577