米国のカリフォルニア大学バークレー校、コーネル大学、ミネソタ大学、バージニア大学、ウィスコンシン大学が、2012年春学期に共同で実施していたデジタル教科書試行プロジェクトの最終報告書(2012年8月1日付け)が公開されています。主な結果として以下のようなことが紹介されています。
・デジタル教科書とは別に紙書籍版を購入したのは12%だけだった。
・学生たちが今後デジタル教科書を購入するようになるには、その価格を下げることが最大の要因であると考えられる。また、デジタル教科書の持ち運びのしやすさも非常に大きな要因だった。その他、インターネット接続がなくても閲覧できることや、一学期だけではなく学生生活全体を通して利用できることが挙げられた。
・ズームのしづらさなどデジタル教科書の文章の読みにくさは学生から何度も指摘された。
・多くの場合、教員らは、メモの共有や学生の行動把握のようなデジタル教科書の高機能を使っているとは報告せず、さらなる講習の必要性を指摘していた。そして、教員が使っていないため、学生らも、他の学生や教員と協働作業ができる点についてほとんど利点を感じていなかった。
Internet2 eTextbook Spring 2012 Pilot Final Project Report(PDF:40ページ)
http://www.internet2.edu/netplus/etext/docs/eText-Spring-2012-Pilot-Report.pdf
Students Find E-Textbooks ‘Clumsy’ and Don’t Use Their Interactive Features(The Chronicle of Higher Education 2012/8/22付け記事)
http://chronicle.com/blogs/wiredcampus/students-find-e-textbooks-clumsy-and-dont-use-their-interactive-features
参考:
カリフォルニア大学等の米国5大学がInternet2等と協力してデジタル教科書の試行プロジェクトを実施
http://current.ndl.go.jp/node/19998