英国のJISCとウェルカム財団が、各大学におけるオープンアクセス(OA)ジャーナルへの投稿料(article processing charge:APC)の効率的な管理のために提供できるサポートや、中間組織が果たすことのできる役割に関する研究を開始すると発表しました。
この研究は、英国のオープンアクセス実行グループ(OAIG)に代わって両機関が行うもので、先日発表された「Finchレポート」のなかで大学によるAPCの支払いについて述べられていることを受けたものとされています。なお、OAIGが過去に行った研究では、ハイブリッドOAジャーナル出版社、研究機関、助成機関の多くは、APCを処理するための効率的なシステムを構築できておらず、多大な処理の遅れなどの問題を引き起こしていることが示されています。また、OAIGメンバーや出版社は、適切な中間組織がAPCに関するサポート・サービスを提供するという潜在的役割について強調しているということです。
JISC and Wellcome Trust to support universities with new open access demands(JISC 2012/7/19付けニュース)
http://www.jisc.ac.uk/news/stories/2012/07/oa-itt.aspx
参考:
E1241 – ハイブリッドOAを巡る高等教育機関・出版社・助成機関の問題
http://current.ndl.go.jp/e1241
英国政府が「Finchレポート」に対する公式見解を、英国研究会議と欧州委員会がオープンアクセス方針を発表
http://current.ndl.go.jp/node/21385
研究成果へのアクセス拡大に向けて必要な活動は何か? 英国研究情報ネットワーク(RIN)がレポートを公表
http://current.ndl.go.jp/node/21156
英国情報システム合同委員会(JISC)による2つのオープンアクセス関係の研究レポート
http://current.ndl.go.jp/node/19379