欧州委員会、EU加盟各国に対する資料デジタル化の促進等の勧告を承認

2011年10月28日に、欧州委員会(EC)が、EU加盟各国に対する、文化資料のさらなるデジタル化の推進とデジタル資料の保存、その分野への民間企業参入等についての勧告を承認したと発表しています。これは欧州の文化遺産のさらなる活用と欧州のクリエイティブ産業の成長促進を目的としたもののようです。勧告は、2006年に出された同様の勧告の改定版であり、2011年1月にECの情報社会・メディア総局の有識者委員会(Comité des Sages)がECに対して提出した報告書“The New Renaissance”の内容を踏まえたものとなっているようです。勧告は、欧州のデジタル文化資源ポータル“Europeana”を通じて提供するデジタル資料を2015年までに現在の1,900万点から3,000万点に拡大させることを目標に、加盟各国に対して資料デジタル化への投資計画策定やデジタル化のコスト負担を共有するための官民パートナーシップの強化、法的枠組みの構築等を踏まえた上での著作権保護対象資料のオンライン提供促進等を求めるものとなっているようです。

COMMISSION RECOMMENDATION of XXX on the digitisation and online accessibility of cultural material and digital preservation (PDF)
http://ec.europa.eu/information_society/activities/digital_libraries/doc/recommendation/new_recommandation28nov11/en_recommendation.pdf

Digital Agenda: encouraging digitisation of EU culture to help boost growth (EUROPA 2011/10/28付けの記事)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1292&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

EU、文化的資産のデジタル化推進を加盟各国に提唱 (ITpro 2011/10/31付けの記事)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111031/371683/

参考:
E1143 – 「デジタルルネサンス」に向けた欧州委員会への提言
http://current.ndl.go.jp/e1143

E541 – 欧州デジタル図書館計画の促進に向けた勧告
http://current.ndl.go.jp/e541