2023年7月13日付で、英国図書館（BL）が、ブログ記事“Building a Minecraft Gateway to the World of Books”を掲載しました。
記事は、読書に消極的な子どもを刺激するためにマインクラフト（Minecraft）を活用する取組“Litcraft”に関するものです。同取組は英・ランカスター大学のSally Bushell教授をプロジェクトリーダーとし、同学や教育版マインクラフト等が協力しています。
マインクラフトは、世界に1億4,100万人のユーザ―規模を誇るゲームです。プレイヤーが移動すると周囲に世界が生成され、プレイヤーはその世界を自由に構築し、そこで遊ぶことができます。Litcraftは、スティーブンソンの『宝島』といった古典文学作品に登場する架空の島などの正確なスケールモデルをマインクラフトで作成し、その世界の中で読書と遊びや課題を組み合わせることで、教育現場などにおいて読書に消極的な子どもを文学に引きつけることを目的としているとあります。
ブログ記事では、文学作品に登場する架空の島以外にも、BLのコレクションを活用するなどしてシャーロック・ホームズの冒険をマッピングしたBushell教授らの新たなLitcraftが紹介されています。
すでに50以上の学校等で取り入れられているLitcraftは、すべての子どもが対象とされていますが、読書が難しい子どもに特に焦点が当てられています。読書が難しい子どもは、失読症であったり、読む能力が低かったり、あるいは第二言語で読んでいるかもしれず、彼らが本を読むのを嫌がる主な理由は、視覚化に至っていないためであるとし、読書を楽しむためには本に夢中になる状態にさせる必要があると述べられています。
Building a Minecraft Gateway to the World of Books | User Stories（BL, 2023/7/13）
https://blogs.bl.uk/living-knowledge/2023/07/building-a-minecraft-gateway-to-the-world-of-books-.html
関連：
Litcraft: Using Minecraft to engage reluctant readers（Lancaster University）
https://www.lancaster.ac.uk/business/case-studies/litcraft-using-minecraft-to-engage-reluctant-readers
参考：
米国議会図書館、読書を薦めるオンラインゲーム“Readers to the Rescue”を発表 [2014年01月27日]
https://current.ndl.go.jp/e2616
