2023年6月20日付けのcOAlition Sのブログ記事で、転換雑誌(Transformative Journals)に関する出版社から提供されたデータに基づく2022年のリポートの詳細が報告されています。
同記事によると、転換雑誌プログラムでは、対象のジャーナルに対して絶対値で5%以上、相対値で15%以上のオープンアクセス(OA)コンテンツの年間増加率を満たすことが求められているところ、2022年に目標を達成したジャーナルは全体の約30%にあたる695タイトルであり、目標を達成しなかった1,589タイトル(約68%)については、2023年末までに同プログラムからは除外されると述べられています。
また、同プログラムは、研究成果の75%以上がOAであるジャーナルに対して完全OA誌に移行することを求めていますが、2022年の結果を踏まえ、2023年から完全OA誌に移行したのは全体の1%にあたる26タイトルであったとあります。
そのほか、記事では出版社別の対象ジャーナルのOA化の状況や、同プログラムによりOA化された論文のダウンロード数や引用数などにも触れられています。分析で使用されたデータセットはウェブサイトからダウンロード可能です。
Transformative Journals: analysis from the 2022 reports(cOAlition S, 2023/6/20)
https://www.coalition-s.org/blog/transformative-journals-analysis-from-the-2022-reports/
参考:
cOAlition S、2024年を以て転換契約や転換雑誌への資金援助を終了すると発表 [2023年01月31日]
https://current.ndl.go.jp/car/171786
cOAlition Sによる転換雑誌に関する分析:2021年版(記事紹介)[2022年06月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/46397
CA1990 – 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂
カレントアウェアネス No.346 2020年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1990