2023年3月7日、“Open Access Switchboard”(OA Switchboard)が、研究資金情報を共有するための新たなパイロットプロジェクトを実施すると発表しました。
研究資金提供者と出版者が連携し、オープンアクセス(OA)推進を目的として助成に関する情報を解き放つ実験的プロジェクトだと説明されています。プロジェクトの仮説は、研究成果に関連する助成についての有益な情報が現在のエコシステムの中に「隠れて」おり、これを体系的に取り出して関係者と共有できるのではないか、というものだと説明されています。
英・ケンブリッジ大学出版局等13の出版者が参加しています。これらの出版者は、コンテンツと構造化メタデータを研究資金提供者の名前で検索できるようにしており、そのことにより質の高い出版・決済通知をOA Switchboard経由で研究資金提供者に提供することを目指しているとあります。
また、オーストリア科学財団(FWF)や日本の科学技術振興機構(JST)等12の研究助成機関が参加しており、ポリシーの遵守および発展のモニタリング、OA出版の履行、OAの増加・可視化の可能性への支援という点で、出版・決済通知のデータ等に関心を持っているとあります。
パイロットは2023年6月まで行い、その結果を夏までに報告する予定とあります。
OA Switchboard facilitates new pilot to get ‘hidden’ research funding information out of publications and shared(OA Switchboard, 2023/3/7)
https://www.oaswitchboard.org/blog-post-7march2023-funder-pilot
参考:
“Open Access Switchboard”、SciELOブラジルコレクションと連携したと発表 [2023年02月21日]
https://current.ndl.go.jp/car/172940
英・Jisc、“Open Access Switchboard”との契約延長を発表 [2023年02月15日]
https://current.ndl.go.jp/car/172446
ドイツ国立科学技術図書館(TIB)ら、“Open Access Switchboard”と契約を締結 [2023年02月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/171956
ORCID、“Open Access Switchboard”と連携:著者の所属情報を識別する“Smart matching”の機能向上 [2022年04月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/46039
英・Jisc、“Open Access Switchboard”への支援を発表 [2020年12月10日]
https://current.ndl.go.jp/car/42732