フランスのCentre de Transcription et d’Édition en Braille、2,000以上の点字図書を点訳元書籍の定価で販売すると発表

2022年12月26日、書籍の点訳や点字図書の作成等を行うフランスのCentre de Transcription et d’Édition en Braille(Cteb)は、書籍の定価販売を点字図書にも適用すると発表しました。2023年1月4日以降、2,000以上の点字図書が晴眼者向け書籍と同じ価格で販売されるようになります。

発表によると、これまで40年間、点字図書は晴眼者向けの書籍と比べて3倍から5倍の値段で販売されていました。1981年に制定された、書籍の販売価格の値引きを規制する法律であるラング法を、点字図書にも適用する措置であると述べられています。原本の出版者が設定した定価に合わせて、新たに点字図書の価格を設定したとあります。

Actualités(Cteb)
https://www.cteb.fr/actualites/
※2022年12月26日付で“2023 : les livres en braille passent au prix unique librairie !”と掲載されています。

Le 4 janvier 2023, après 40 ans d’attente et de combats, les livres en braille passent au prix unique librairie !(Cteb)
https://www.cteb.fr/2023-les-livres-en-braille-au-prix-unique-librairie/

関連:
Révolution : en 2023, des livres en braille vendus au “prix unique”(ActuaLitté, 2023/1/3)
https://actualitte.com/article/109361/reportages/revolution-en-2023-des-livres-en-braille-vendus-au-prix-unique

参考:
フランスの電子書籍価格規制法の概要とその背景に関する解説(記事紹介) 2012-06-27
https://current.ndl.go.jp/car/21212

フランスにおける電子書籍の価格規制に関する法律(記事紹介) 2012-01-17
https://current.ndl.go.jp/car/19934

フランスで電子書籍の再販制を定める法律が成立 2011-05-20
https://current.ndl.go.jp/car/18223

E2414 – フランスにおける図書館の障害者サービスの現状と課題
カレントアウェアネス-E No.418 2021.08.19
https://current.ndl.go.jp/e2414

CA1351 – 貸出の有料化について−フランス公共図書館の場合− / 宮本孝正
カレントアウェアネス No.255 2000.11.20
https://current.ndl.go.jp/ca1351