日本学術会議が、2010年8月2日付けで、提言「学術誌問題の解決に向けて ― 「包括的学術誌コンソーシアム」の創設 ―」を公開しています。価格高騰の影響や国際競争力のある国産学術誌の必要性などの、学術誌をめぐる問題に関して提言をまとめたもので、提案の概要は次のようなものです。
・科学者、学術団体、関係機関、図書館、学術情報流通の専門家によって構成し、学術情報受発信の諸問題に対応する横断的統合組織、「包括的学術誌コンソーシアム」(C2SPC)を設置する。
・学術誌へのアクセス確保と学術誌による発信の現場で主導的な役割を果たす優秀な専門家(コーディネータ)を国の財政支援によって雇用する。
・国立情報学研究所NIIが運営しているNII-REO等への財政支援を拡大し、国外電子ジャーナルのバックファイル、人文・社会科学系等の国外大型電子資料コレクションを拡充することによって、過去の国外学術資料への平等なアクセス(ワンサイトアクセス)を確保する。
・科学技術振興機構(JST)と国会図書館(NDL)それぞれが持っている学術誌閲覧提供機能を統廃合し、それをもって海外の主要学術誌の「最後の拠り所」としてのアーカイヴを新たに構築することによって、誰もがアクセス可能な環境を確保する。
・日本からの受発信体制の一本化と強化を行う。
・国内の然るべき大学に、学術情報流通専門家養成コースを含むダブルメジャーコースを新設することによって中長期的に学術情報流通分野で活躍できる人材を育成する。
学術誌問題の解決に向けて ― 「包括的学術誌コンソーシアム」の創設 ―
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t101-1.pdf
科学者委員会 学術誌問題検討分科会
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/journal/index.html