ハーバード大学、同大学の図書館業務の改革に向けた勧告を公表

ハーバード大学が、同大学の図書館業務改革に向けた勧告を公表しています。2009年3月に設立された全学規模のタスクフォースによりまとめられたもので、改革の必要性についての部分には、以下のような記述があります。

・73もの図書館があり、複雑な組織体系となっているため、変化への対応が難しい。
・完全に包括的なコレクションを目指すのではなく、より戦略的な蔵書構築をしなければならない。
・学問分野の拡大や学際分野の出現により、必要な資料が増加している。
・デジタル化の進展により、利用者の図書館利用方法が激変した。
・こうした変化はチャンスでもあるものの、財政的な制約もあり、効率化を考慮する必要がある。
・各図書館間のITシステムの互換性が低い。
・購入契約も各図書館で実施しており高コストとなっているが、図書館間の調整をするのにも手間がかかりすぎる(一つの契約を結ぶのに22の図書館が関わり4ヶ月かかった例もある。)
・複雑でばらばらの組織をまとめなければならない。

このような問題点の改善のための勧告として、組織の改変、ITシステムの合理化、財政システムの見直し、所蔵よりも「アクセスの保証」に焦点を当てること、他機関との連携強化、などの点が挙げられています。今後、この勧告を受けたワークグループによる作業が行われるとのことです。

Report of the Task Force on University Libraries
http://www.provost.harvard.edu/reports/Library_Task_Force_Report.pdf

Harvard Task Force Urges Centralization, Collaboration, and Access (vs. Acquisition)(2009/11/12付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/article/CA6706878.html

Full Text: Reforming Harvard’s Library System is the Subject of New Task Force Report(2009/11/13付けResourceShelfの記事)
http://www.resourceshelf.com/2009/11/13/full-text-harvard-university-libraries-task-force-issues-report/