中国科学院の大学院生の情報探索行動分析から導かれるペルソナは?

国際図書館連盟(IFLA)のIT部会が刊行しているニューズレターの最新号に、中国科学院の大学院生の情報探索行動に関する研究レポート“Creating and Using Personas for Digital Library Service in Web2.0 era- A Case Study of Graduate School of Chinese Academy of Sciences”が掲載されています。ブログ、インスタントメッセンジャー(IM)、SNS、ポッドキャスト、Wikiなど様々なソーシャルサービスがあるなか、図書館はどのようなサービスを提供していくべきかを、中国科学院の大学院生に対する質問紙調査、構造化インタビュー調査を通じて得た「ペルソナ」(架空のユーザ)をヒントに模索する内容となっており、下記の4つのペルソナが導かれています。

1. IM、P2P、ブログ、RSS、ソーシャルタグ、SNS、ポッドキャストの7つを使いこなしている、最新技術をすばやく受け入れるタイプ。

2. IMとP2Pはよく使うが、ブログ、RSS、ソーシャルタグ、SNS、ポッドキャストは使わないタイプ。調査結果では、最も大きなクラスターとなった。こういったタイプの人は、電子図書館サービスがより早く、より簡単になってほしいと考えている。また、電子図書館サービスが検索エンジンのようになってほしいと願っている。

3. IM、P2P、ブログ、ポッドキャストは使うが、RSS、ソーシャルタグ、SNSは使わないタイプ。このようなタイプの人は、電子図書館サービスのなかに、もっと利用者空間がほしいと考えている。

4. IM、P2P、ブログ、RSS、ソーシャルタグ、SNS、ポッドキャスト全てを使わないタイプ。伝統的な図書館利用者と言える。このようなタイプの人には、情報リテラシー教育が必要だと考えられる。

Ku, Li-Ping. Creating and Using Personas for Digital Library Service in Web2.0 era- A Case Study of Graduate School of Chinese Academy of Sciences. ITS Newsletter. 2009. July, p.7-8.
http://www.ifla.org/files/information-technology/IFLANewsletterJuly2009.pdf

参考:
E941(E152)次世代学術コンテンツ基盤ワークショップ<報告>
http://current.ndl.go.jp/e941