「図書館・図書館情報学の情報誌」としての期待 / 長尾真

カレントアウェアネス
No.300 2009年6月20日

 

創刊300 号・30 周年記念巻頭言

 

「図書館・図書館情報学の情報誌」としての期待

 

国立国会図書館長 長尾 真

 

 『カレントアウェアネス』が創刊300 号を迎えました。また、来る8 月には創刊30 周年を迎えます。本誌は現在関西館図書館協力課が編集・刊行を担当しておりますが、担当職員の努力を多といたしますとともに、外部の編集企画員としてお願いしてまいりました図書館情報学関係の研究者の方々のご協力に心からお礼申し上げます。

 国立国会図書館は日本を代表する図書館として国際的に活躍するとともに、一方では国内の各種図書館、図書館研究者等に対して種々のサービスを提供し、支援を行いながら、相互協力によって日本の図書館活動が将来に向けてより良いものになっていくべく努力をしております。

 『カレントアウェアネス』は図書館活動に関係する世界各国の各種のニュースを掲載するとともに、種々の課題について簡潔なまとめの報告を提供しております。それぞれの記事についてはその根拠となった詳細な資料リストを添えております。そういった意味で『カレントアウェアネス』は単に情報をお伝えするだけでなく、調査研究などのためにも役に立つ非常に高度な内容をもったものでもあります。

 そういった努力をして来ました結果かと思いますが、本誌は国内外の図書館・図書館情報学の動向に関する情報誌として、図書館界で高く評価されていることは大変ありがたいことであります。また、図書館類縁機関、出版界、IT関連業界、さらには一般の方々からも多くの注目をいただいております。

  『カレントアウェアネス』は冊子体のもののほかに、「カレントアウェアネス・ポータル」としてインターネット経由で見ていただくものを出しております。そのなかには「カレントアウェアネス-R」や「カレントアウェアネス-E」などがあって、これらは本誌にくらべてもっとニュース性、速報性を主体とした内容となっております。このウェブサイトは最近では20万アクセス/月という頻度で利用されるようになって来ております。

 本誌およびこのウェブサイトは当館の情報収集・調査研究の成果を社会に還元し、国内外の図書館や関連する学問分野等の発展に資するための活動として、今後ますます充実したものとしていきますので、どうかご愛顧くださいますようお願いいたします。

 ご意見などもお寄せいただければ幸いです。どうかよろしくお願い申し上げます。


長尾真. 「図書館・図書館情報学の情報誌」としての期待. カレントアウェアネス. 2009, (300), p.2.
http://current.ndl.go.jp/ca_no300_nagao