8.その他の調査結果

8.その他の調査結果

 本報告においては特に触れなかったその他の調査結果について概要を紹介する。

8.1 研修会・勉強会の実施について(<アンケート>より)

 平成14年度に都道府県立図書館及び県域・所属ブロック域等で開催した,図書館職員を対象とする研修会や勉強会・連絡会議等について,研修会等名称,内容及び参加対象を質問した。四半期ごとの件数は以下のとおり。

図表22「図書館員を対象とした研修会や勉強会・連絡会議等の開催状況(平成14年度)」

都道府県名開催時期と回数合計
4月〜6月7月〜9月10月〜12月1月〜3月
北海道12104
青森県11125
岩手県11103
宮城県31206
秋田県01001
山形県21306
福島県846321
茨城県22004
栃木県20215
群馬県423312
埼玉県11035
千葉県956323
東京都105171446
神奈川県12317
新潟県22419
富山県01214
石川県314311
福井県11013
山梨県323210
長野県11204
岐阜県11327
静岡県654015
愛知県00336
三重県014510
滋賀県*
京都府11013
大阪府365721
兵庫県348520
奈良県01517
和歌山県10017
鳥取県243211
島根県00022
岡山県00538
広島県00448
山口県12317
徳島県11114
香川県01225
愛媛県11215
高知県21306
福岡県695121
佐賀県00112
長崎県00303
熊本県12014
大分県12025
宮崎県01236
鹿児島県11002
沖縄県13228
合計878312889387

*滋賀県立図書館は平成15年度に参加館となったため。

8.2 NDL総目の参加資格について(<アンケート>より)

 NDL総目事業への市区町村立図書館分館の参加について質問したところ,賛成(42館),時期尚早(15館),反対(5館)という回答であった。なお,責任体制の確保,相互貸借のルールやマナーの遵守を参加の条件とすべきといった指摘も見受けられた。

 図書館法に基づかない公立図書館の参加について質問したところ,資料の貸借において責任が持てる体制の公立施設(図書館)の参加のみ認めるべき(39館),自治体に公立図書館未設置の場合に限り,公民館図書室の参加を認めてもよい(11館),「図書館」または「図書館に準ずる施設」以外には,将来の一般公開時に検索のみ可能とすべき(7館),公民館図書室の参加を全面的に認めてもよい(2館),厳密に「図書館法」適用施設の参加に限定すべき(1館)という回答であった。

 図書館法に基づく公立施設であっても,資料の貸借に責任を持てる体制かどうか,相互貸借のルールやマナーを遵守することができるかどうか,を参加要件の目安とすべきことが分かる。加えて公立図書館未設置の場合は公民館図書室の参加を認めても良いとする回答も多かった。NDL総目の参加対象の範囲は,公共図書館までとする意識が感じられる。

8.3 NDL総目の一般公開について(<アンケート>より)

 NDL総目の一般公開の是非について質問したところ,賛成(32館),時期尚早(23館),反対(6館)という回答であった。賛成が回答数の過半数となった(52%)。各館または各県域における書誌データの公開が一般化している状況からか,NDL総目の公開について明確に反対の立場を取る館は少なかった。ただし,賛成の条件,時期尚早や反対の理由からは,相互貸借に関わるルール・マナーの周知徹底の必要性,データ提供館の増加,県域における総合目録や業務体制の整備,資料送受に係る費用の問題など,公共図書館における相互貸借やNDL総目事業に関わる重要課題が指摘された。


書誌事項:国内公共図書館の相互貸借等に関する調査報告書―国立国会図書館総合目録ネットワーク参加館状況調査のまとめ―. デジタル環境下におけるILL,ドキュメント・デリバリーとその運用基盤. (図書館研究シリーズ No.38). 2005. 32-34.