E749 – 書誌コントロールの将来WG,LCに最終報告書を提出

カレントアウェアネス-E

No.122 2008.02.06

 

 E749

書誌コントロールの将来WG,LCに最終報告書を提出

 

 2008年1月8日,米国議会図書館(LC)が設置した「書誌コントロールの将来ワーキング・グループ」(E634参照)が,最終報告書“On the Record:Report of The Library of Congress Working Group on the Future of Bibliographic Control”をLCに提出した。

 この最終報告書は,2007年11月30日に公開された報告書草案(E720参照)に対するパブリックコメントを踏まえた検討結果を反映したものである。パブリックコメントの募集は2007年12月1日から15日までと短期間であったが,あわせて100ページを超える分量の意見が寄せられたという。(1) 書誌レコードの作成・管理の効率を向上させる,(2) 貴重資料,図書館固有の資料,その他秘蔵資料へのアクセスを拡大させる,(3) 我々の技術を将来に向けて位置づける,(4) 我々のコミュニティを将来に向けて位置づける,(5) 図書 館情報学専門職を強化する,の5つの領域のもと,3レベルに階層化された勧告と,望まれる成果を記すという形式は報告書草案を踏襲しているが,いくつかの勧告が新たに追加されたり,記述が追加・変更されたりしている。第1レベルの勧告は字句の追加のみであるが,第2レベルの勧告としては,

  • 既存の各種の標準類(ISO 2709:1996「情報及びドキュメンテーション−情報交換形式」,XML,MARC,MODS,DCMIアブストラクトモデル,RDA,AACR,FRBR,統制語彙,典拠など)を包含した,より大きな書誌的装置(bibliographic apparatus)のための一貫したフレームワークの構築
  • 他の団体が用いている標準の検証,検証過程の一般への公開など,標準開発のプロセスの改善

が新たに加わっている。またこれら第2レベル,また数点の第3レベルの勧告の追加に加え,RDA(E372E614E728参照)策定作業の中断がより強く勧告されている点が,報告書草案から大きく変わっている。

 今後,LCや他の関係機関が,この勧告に対しどのように対応していくのか,引き続き注視していく必要があろう。

Ref:
http://www.loc.gov/bibliographic-future/news/lcwg-ontherecord-jan08-final.pdf
http://www.loc.gov/bibliographic-future/news/draft-report.html
E372
E614
E634
E720
E728