米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ロサンゼルスにおける警察活動・大量収監に関する資料のアーカイブ化プロジェクトを開始:デジタル化公開も実施予定

2021年1月28日、米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、同校の研究者がロサンゼルスにおける警察活動と大量収監に関する資料のアーカイブ化プロジェクト“Archiving the Age of Mass Incarceration”を開始したことを発表しました。

同プロジェクトは、人種・社会正義に関する次世代の研究に資するように、ロサンゼルスの警察活動・大量収監に関連したデータ・証言・現物資料・捜査記録などを収集・デジタル化し、持続可能なアーカイブとして保存することを目的にしています。同校米国文化研究所(Institute of American Cultures)の民族文化研究に関する4センターがプロジェクトの中心となり、アンドリュー W.メロン財団による3年間365万ドルの助成を受けて取り組まれます。

同プロジェクトは、UCLAを拠点として2016年に開始した、ロサンゼルスにおける大量収監の財政的・人的コストをマッピングするコミュニティ主導型のプロジェクト“Million Dollar Hoods”の研究成果に基づいて取り組まれます。プロジェクトで収集予定のコレクションには、警察による法執行・収監を経験したロサンゼルス市民のオーラルヒストリーや、保釈金の領収書などが含まれ、警察・司法当局の公式記録の検証等の場面で有意義な資料となり得ることを説明しています。同プロジェクトは最初の取り組みとして、麻薬・移民規制など幅広い問題に関連した、ロサンゼルス市警察の捜査記録のデジタル化と保存に着手することを予定しており、これらの捜査記録の入手の場面で同校図書館の助言があったことを紹介しています。

同プロジェクトは3年間の助成期間中に、アーカイブの一般公開やデジタルプラットフォームの構築と公開を予定しています。

UCLA to establish archive on policing and mass incarceration in Los Angeles(UCLA,2021/1/28)
https://newsroom.ucla.edu/releases/mellon-foundation-ucla-archive-policing-incarceration

関連:
Million Dollar Hoods
https://milliondollarhoods.pre.ss.ucla.edu/

参考:
北米の研究図書館センター(CRL)、メキシコの行方不明者の記録に関するリポジトリ“Repository of Documentation Relating to Disappearances in Mexico”の構築計画を発表
Posted 2020年6月26日
https://current.ndl.go.jp/node/41356

米・カリフォルニア大学バークレー校バンクロフト図書館の日系アメリカ人強制収容に関する50万点以上のデジタル化資料(記事紹介)
Posted 2020年2月26日
https://current.ndl.go.jp/node/40332