英国図書館(BL)、反人種差別(anti-racist)組織となる旨の声明を発表
2020年7月6日、英国図書館(BL)は、積極的に反人種差別(anti-racist)組織となること、また、この約束を実現するために必要なあらゆる手順を踏むことを、職員と利用者に対して約束すると発表しました。
6月30日に全職員を対象に行われたオンライン会議において館長は、職員・コレクション・利用者という観点において図書館が真に「代表」となるためには緊急の「世代交代」の必要があり、黒人男性フロイド(George Floyd)氏の殺害やブラック・ライヴズ・マター運動は、図書館の指導者に、これまでの活動が不十分であると警鐘を鳴らしたと述べ、黒人・アジア人・少数民族(BAME)の管理職や上級学芸員(senior curatorial staff)が長年不足していることや、いくつかのコレクションや活動のなかの植民地に由来するものに関して完全に率直に考慮することが喫緊の課題であることが議論されました。
そしてこの問題を解決するため、BLでは、BAMEの職員ネットワークからと図書館全体から選出された職員で構成されるワーキンググループで今後2か月かけて策定される勧告を含む反人種差別活動計画に資金を提供し、推進するとしています。
また、最高の意思決定における意見の多様性を高めるため、図書館の理事会に他の職員ネットワークや労働組合からのメンバーに加えにBAMEネットワークからの席を追加する措置が取られました。これにより、13人の理事会メンバーの内4人がBAMEの背景を持つ人物となったと紹介されています。
Press releases(BL)
https://www.bl.uk/press-releases
※「British Library commits to becoming an anti-racist organisation Mon 6 Jul 2020」とあります。
British Library commits to becoming an anti-racist organisation(BL)
https://www.bl.uk/press-releases/2020/july/british-library-commits-to-becoming-an-anti-racist-organisation
参考:
国際図書館連盟(IFLA)、会長・事務局長名で人種差別を非難する声明を発表
Posted 2020年6月8日
https://current.ndl.go.jp/node/41155
オーストラリア図書館協会(ALIA)、人種差別・人種に基づく暴力を非難する声明を発表
Posted 2020年6月8日
https://current.ndl.go.jp/node/41154
米国図書館協会(ALA)、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)、抗議デモへの参加者、ジャーナリストへの警察の暴力を非難する声明を発表
Posted 2020年6月12日
https://current.ndl.go.jp/node/41205
- 参照(1379)
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