E673 – 高等教育機関におけるeラーニングの現状と課題<文献紹介>

カレントアウェアネス-E

No.110 2007.07.11

 

 E673

高等教育機関におけるeラーニングの現状と課題<文献紹介>

 

eラーニング等のITを活用した教育に関する実態調査. メディア教育開発センター. 2007. 122p.  http://www.nime.ac.jp/reports/001/main/eLearning-jp.pdf (参照2007-07-11).

 独立行政法人メディア教育開発センター(NIME)は,2005年度から「eラーニング等のITを活用した教育に関する実態調査」を実施している。このほどその第2年目となる2006年度版の調査報告書が公表された。

 本年度は(1)IT活用教育,(2)IT活用による授業改善,(3)eラーニング,(4)インターネット等を用いた遠隔教育,(5)ラーニング・マネジメント・システム,の5項目について,アンケート調査が行われた。調査対象は全国の高等教育機関(大学・短期大学・高等専門学校)1,276機関で,有効回答率は約72%であった。

 調査の結果,IT活用教育は約75%の機関ですでに導入され,未導入機関でも約半数が今後の導入を予定・検討していることが明らかになった。またeラーニングは全機関のうち約33%で導入されており,これは5年前の約3倍に達している。今後も堅調な増加が見込まれると報告書は分析している。

 またIT活用教育の導入により効果的な教育が実施できた,と導入機関の過半数が回答しており,IT活用教育は教育内容や手法の改善に資すると分析している。一方でシステム維持やコンテンツ作成の人員不足,教員のIT活用スキルの不足,IT活用教育に対する組織的な対応や教員の負担軽減といった,IT活用教育を実施していくにあたって必要となる改善点も明らかにされている。さらに報告書では,IT活用教育の質を向上させるための取り組みや支援が不可欠であることも指摘している。

 報告書には実態調査の結果・分析のほか,共同プロジェクトを含む全国15機関の高等教育機関で取り組まれている先進的なIT活用教育事例に関する,各プロジェクト推進担当者が執筆による事例紹介が掲載されている。