カレントアウェアネス-E
No.88 2006.08.02
E522
法律情報に関するレファレンス・サービス(日本)
刑事訴訟への裁判員制度の導入やいわゆる知財高裁の創設など,司法制度改革と呼ばれる制度変更が現在すすめられている。事前規制・調整型から事後チェック・救済型と呼ばれる社会への移行がその背景にあるが,今後,法律的なトラブルに巻き込まれる可能性が高まり,国民の法律・裁判に関する情報要求が増えることが予想される。このような状況下で,東京都立中央図書館は7月12日,法律情報の調査・収集を援助するサービス「法律情報サービス」を開始すると発表した。
都立中央図書館には,法律関係資料が豊富に所蔵されているが,このサービスでは,それらを活用して,利用者の調査活動や情報収集の支援をおこなう。具体的には都立中央図書館に「法律情報コーナー」を設け,交通事故や近隣トラブルといったテーマごとの資料展示を実施し,情報案内リストを提供する。また所蔵する図書・年鑑・雑誌,判例集等を活用して,法律関係のレファレンスサービスを実施するほか,法律情報サービスのコンテンツをウェブサイトに掲載したり,裁判員制度に関する公演会,法律情報の探し方に関する講習会を開催する。このほかにも財団法人法律扶助協会,日本司法支援センターといった法律関係の相談機関や関連情報に関する情報の提供が予定されている。なおこのサービスは資料や情報の提供が対象で,法律相談や特定の弁護士・法律事務所の紹介はおこなわない。
Ref:
http://www.library.metro.tokyo.jp/1h/index.html
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/07/20g7c300.htm