カレントアウェアネス-E
No.82 2006.05.10
E484
南部アフリカにおける科学情報の共有・保存に向けた戦略
科学技術データ委員会(Committee on Data for Science and Technology:CODATA)は2005年9月,南アフリカ共和国のプレトリアで発展途上国における科学情報の保存に関するワークショップを開催したが,このほど,その最終報告書「南アフリカにおける科学情報への永続的なアクセスのための戦略:持続的発展のための健康情報,環境情報に焦点を当てて」(Strategies for Permanent Access to Scientific Information in Southern Africa: Focus on Health and Environmental Information for Sustainable Development)が公表された。
このワークショップは,(1)南部アフリカ開発共同体(SADC region)の持続的発展に関する科学情報資源,特に生物医学,地球・環境科学分野などの情報資源の共有,保存の現状を概観する,(2)デジタル形式の科学情報資源への永続的なアクセスを保障するために,必要な要素(法制度,組織,技術など)を議論,(3)(2)で議論した,資料へのアクセスの改善・保存について今後の対応を考える,(4)分野・機関・国を超えた参加者のネットワーク作り,といった目的のもとに実施されたものである。報告書では,ワークショップの結果をふまえて,生物医学,生物多様性,地球・環境科学,科学・技術・医学(STM)雑誌といった分野ごとにデータ・情報の共有や管理についてとるべき対応を提案している。
Ref:
http://stardata.nrf.ac.za/html/workshopCodataPublications.html
http://www.codata.org/